【MLBプレーオフ】好救援マエケンに現地で称賛相次ぐ「救援のレジェンド」「試合の分岐点」

無失点の好救援をしたドジャース・前田健太【写真:Getty Images】

好投の前田健太に賛辞、勝負は第7戦へ

 10月31日(日本時間11月1日)に行われたアストロズとのワールドシリーズ(WS)第6戦で好救援を見せた前田健太投手。1点リードの7回無死一塁で登板すると強力打線を無失点に封じてピンチを脱した。チームは直後に1点を追加して3-1で勝利。本拠地で3勝3敗のタイに戻し、勝負の行方は1日(同2日)の第7戦に持ち越された。米メディアは同場面を試合の「分岐点」としてレポート。また、勝負所で好投を見せた前田には「リリーフのレジェンドに」「ケンタ・マエダは全ての人間にとって力強い物語」など称賛の声が寄せられている。

 チームの危機を救ったのは背番号18だった。2-1で迎えた7回、ドジャース3番手のワトソンが先頭の代打レディックに四球を与え、代打ギャティスを迎えた場面で前田がマウンドに上がった。

 超満員の本拠地ファンからスタンディングオベーションで迎えられた右腕はギャティスを遊ゴロに仕留めると、続くスプリンガーには不運な当たりで内野安打を許したが、ブレグマンをセンターフライに打ち取った。

 そして、この日の大きな見せ場を迎えた。2死一、三塁としたところで、今季首位打者のアルトゥーベが打席に。第5戦の登板で同点3ランを浴びていた因縁の相手に、前田はカウント1-2から4球目、スライダーで三ゴロに仕留めた。リベンジを果たした日本人右腕は2度雄叫びを上げた。

 1点リードを死守した右腕には直後から称賛の声が上がった。

 ベストセラー作家のモリー・ナイト氏は自身のツイッターで「ケンタ・マエダはローテーションの予備要員からプレーオフでリリーフのレジェンドに。なぜベースボールが最高の競技なのかみんなにわかってもらいたい」と称賛した。

 米スポーツ専門メディア「ファンラグ・スポーツ」の敏腕記者ジョン・ヘイマン氏も自身のツイッターで「試合のカギ:モロー、ケンタそしてジャンセンが素晴らしい、驚くほどの立ち直りを見せた」とレポート。また同メディアの編集者マット・ゼメック氏も「ケンタはどんな人間にとっても、力強い物語だ。人生が困難な時にでも、再び輝くチャンスはそこにあるんだ」とツイートし、先発ローテーションから配置転換となったリリーフで圧巻の活躍を見せる右腕を称えた。

米紙、前田救援の場面が第6戦の「分岐点」、「同点確実に見えた」

 米野球番組「インテンショナルトーク」のMCを務めるクリス・ローズ氏はツイッターで「ケンタ・マエダとジョク・ピーダーソン。“彼らはどんな役割を果たすのか?”からワールドシリーズの英雄へ」と好投の右腕とワールドシリーズ3本目のホームランを放ったペダーソンに賛辞を贈った。

 ドジャースをカバーするジャーナリスト、J.Pホーンストラ記者も自身のツイッターで「ケンタ・マエダとエバン・ギャティスはいつも通りに仕事をする。大好きだ」と称賛し、AP通信のグレッグ・ビーチャム記者も自身のツイッターで「ケンタ・マエダはホセ・アルトゥーベをゴロで仕留めた。危機を感銘的にくぐり抜けた」と速報した。

 また試合後、地元紙「USAトゥデー」電子版は第6戦の速報の中で、前田が救援した場面をこの日の「分岐点」として特筆。「ドジャースは2-1でリードしていたが、アストロズは7回表に少なくても同点に持ち込むことが確実に見えた。彼らは1アウトで、最も熱い打者2人、アレックス・ブレグマンとホセ・アルトゥーベを迎えた」とし、1点のリードを死守した前田を「ヒューストン攻撃陣を寄せ付けなかった」とレポートした。

 第5戦では失意のマウンドを経験しながら見事に輝きを取り戻した前田。この日は1回を1安打無失点、14球(9ストライク)の快投でチームの勝利に貢献した。アルトゥーベにリベンジを果たした力投は、熱戦が続く今年のワールドシリーズで記憶に残る名場面となるかもしれない。

(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

© 株式会社Creative2