サトコウ、ユニット建築工法を共同開発 内装も工場で仕上げ、省力化

 ユニット建築を手掛ける鋼材流通加工業のサトコウ(本社・新潟県上越市、社長・佐藤憲二氏)は三井住友建設と共同で、ホテルなどの高層建築物を在来工法より短期間で完成させる新工法「スクライム―サット工法」の開発に着手した。配管や内外装の大部分まで仕上げた軽量鉄骨ユニットを現場に搬入するため、内装工などの省人化が図れるのが特長。2018年度中の販売を目指す。

 新工法は重量鉄骨を用いたユニット建築「SSUT(サット)工法」(サトコウ)と、工場生産のプレキャストコンクリート部材を用いた高層建築施工法「スクライム工法」(三井住友建設)を基に、2年前から企画。サット工法は鉄骨造の柱や梁を組み合わせるため8階建てまでという制約があり、スクライム工法も内外装仕上げを現場作業に依存するため生産性に限界があるという課題があった。

 新工法ではサット工法から躯体部分を除くことで階数制限をなくした。ユニットは軽量鉄骨造で、内部の壁紙や空調、トイレや浴室などの水回り、ベッドなどの家具配置までサトコウ工場で仕上げ、専用トレーラーで現場まで搬送。クレーンで持ち上げて躯体に配置し、主幹の水道管などと接続する。

 施工費用は在来工法並みに抑えつつ、内装工など現場作業員を最大で80%減らせるため施工期間も半分ほどに短縮可能になる。ユニットをつなげて広い部屋を造るのも可能だ。

 両社は外国人観光客が増加傾向にあるためホテル需要が今後も増えるとみており、規格化しやすいビジネスホテル需要の捕捉を図る。人員手当てが困難な離島などでの引き合いも見込め、病院や寮といった用途も想定する。

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