2017年の世界亜鉛需給、供給減で不足幅拡大

 国際鉛・亜鉛研究会(ILZSG)がまとめた17~18年の鉛・亜鉛需給予測によると、鉛地金は17年が12万5千トンの供給不足、18年が4万5千トンの供給不足と予測。亜鉛地金は17年が39万8千トンの供給不足、18年が22万3千トンの供給不足と予測した。亜鉛は春季に予測した17年の不足幅(22万6千トン)がさらに拡大すると予測し、16年の14万3千トンの供給不足から不足幅が大幅に拡大する見通し。

 鉛地金の世界需給は、17年が供給量1158万トン(前年比3・7%増)、需要1115万トン(同比5%増)、18年が供給量1177万トン(同比1・6%増)、需要1182万トン(同比0・9%増)と予測。

 17年の供給量は米国が同比10・9%減と大幅に減少する見通しだが、中国が全体の供給量を押し上げる見込み。需要では中国の見掛け消費が同比11・3%増と大幅に増加すると予測。欧州は17年が同比2・2%増、18年が前年並み、米国は17年が同比1・1%増、18年が同比1・8%増と予測した。また、中国は17年に12年以来となる高水準(9万5千トン)の輸入超過が見込まれるとしている。

 亜鉛地金の世界需給は、17年が供給量1353万トン(同比1・4%減)、需要1393万トン(同比0・7%増)、18年が供給量1406万トン(同比3・9%増)、需要1428万トン(同比2・5%増)と予測。

 17年の供給量はインドが大幅に増加する見通しだが、カナダ、中国、ペルー、韓国、タイなどの供給量が低調に推移していることから全体では前年を下回る見込み。一方、18年は豪州、ベルギー、カナダ、中国、韓国などで増加する見込み。

 需要では米国の見掛け消費が17年に同比12・2%増と大幅に増加し、18年も同比2%の成長を見込む。欧州は17年が同比0・4%増、18年は同比2・8%増を見込み、18年には11年以来の水準まで回復すると予測。中国の見掛け消費は17年が同比1・8%減と減少する見込みだが、18年は亜鉛めっき鋼板向けの増加で同比3%増と予測している。

 一方、16年に大幅に減少していた鉱山生産量は17年が同比1・8%増の1300万トン、18年が同比6%増の1378万トンと予測。17年はエリトリア、インド、ペルーなどが増加する見通し。18年は豪州、南アフリカなどでのプロジェクトの立ち上がりや欧州、中国、キューバ、米国などからの供給量も高水準で推移するとみている。

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