浮世絵名作を常設ギャラリーで 秦野市立図書館に開設

 浮世絵の常設展示ギャラリーが3日、秦野市平沢の市立図書館内にオープンした。19年前に市出身の収集家から、葛飾北斎や歌川広重など約1900点を寄贈されたものの、一般公開は年1、2度。有効活用とは言いがたく、「年間を通じて大勢の人に名作に触れてほしい」と市が整備した。

 浮世絵は1998年、市内出身の大津圓子さん(故人)が寄贈し、普段は都内の絵画用の倉庫で保管している。ところが展示場所が確保できずに、一般公開は年に1、2度にとどまっていた。このため図書館2階の会議室約60平方メートルを430万円かけて改装し、展示台を備え付けた。作品が傷まないようにライトやケースは紫外線を軽減する構造で、一度に30点ほど展示できる。

 オープンを祝い、現在は「珠玉の名所・美人・役者絵展」を12月28日まで開催している。北斎の富嶽三十六景や広重の東海道五十三次など29点を集めた。市生涯学習文化振興課は「定期的に展示替えを行い、浮世絵の魅力を伝えていきたい」と話している。

 入場無料。問い合わせは、同課電話0463(84)2792。

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