佐世保刑務所19年3月廃止

 法務省が佐世保刑務所(佐世保市浦川内町)を2019年3月末で廃止することが、同省への取材で分かった。施設の老朽化や収容人員の減少が理由。同刑務所への収監は段階的に減らし、今後、福岡、長崎刑務所などに分散して収容する方針。

 同省によると、佐世保刑務所は1971年に建てられた。定員720人。約8万6千平方メートルの敷地に庁舎や収容棟、工場棟、職員官舎などがある。

 全国に刑務所は現在68カ所。ピーク時の2006年度は定員約6万3千人に対し収容者は約8万9千人と過剰収容の状態だった。しかし、刑務所の増設や刑法犯認知件数の減少などに伴い、収容率と収容者数は徐々に低下。今年8月末時点で、定員約8万9千人に対し収容者数は約5万4500人。収容率は61%にとどまる。

 こうした状況から、同省は昨年以降、刑務所の合理化策を検討。今年3月末、1908(明治41)年に完成し老朽化していた奈良少年刑務所を閉鎖し、さらに2019年3月末での佐世保刑務所廃止を決めた。同刑務所は築40年以上で老朽化し、今年8月末時点の収容率も61%となっている。

 職員約150人は他の部署に異動させ、敷地や建物は今後財務省が売却などを検討する予定。同刑務所は、まだ刑が確定してない裁判中の被告を収監する「拘置区」を併設しているが、廃止後もこの拘置機能は当面残すという。

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