落雷火災の森山図書館復旧

 昨年8月、落雷による火災で修理中だった諫早市森山町の市立森山図書館が3日、被災した屋根や床などを張り替え、1年3カ月ぶりに全面開館した。木のぬくもりを感じさせる空間がよみがえり、待ち構えていた大勢の市民でにぎわった。

 火災から3カ月後の昨年11月、館内の一部で業務を再開。今年2月から焼損箇所の修理に入り、屋根全体に避雷設備を導入。併せて、館内の図書配置や外壁などもリニューアルした。総事業費は約1億7千万円。

 開架図書約9万冊のうち、水ぬれした約1万8千冊を廃棄したが、残る7万冊超は県内外の図書館司書や市民ら延べ600人がクリーニング作業に協力。今回は約7万冊を開架室に配置、今後、図書を追加していく。

 セレモニーで宮本明雄市長は「火災直後、地元消防団が本棚を守るためにブルーシートをかけたり、中学生ら多くのボランティアが図書修復に協力したりするなど今日に至る過程がありがたかった」と述べた。

 テープカットした市立森山西小6年の陣野大誠君(11)は「きれいになり、また来やすくなった」と話し、多くの本を手にしていた。

© 株式会社長崎新聞社