島原半島フォーラムが開幕

 「持続可能な観光」を意味するサステイナブル・ツーリズムの国際認証を目指す「島原半島フォーラム」(NPO法人・日本エコツーリズム主催、島原半島観光連盟共催)が4日、島原市で開幕した。5日まで。

 同ツーリズムの国際認証を得るためには国連が提唱する「グローバル・サステイナブル・ツーリズム・カウンシル」(GSTC)と呼ばれる基準を満たす必要がある。海外では誘客確保のために認証取得の動きが広がっているという。日本国内で認証を受けている観光地はまだない。

 フォーラムでは、島原半島が長期的に観光地として存続するための方法について講演やパネルディスカッションなどを通じ考察。4日は、半島3市の行政や観光業の関係者ら約70人が参加した。

 講演ではオランダ在住の同ツーリズム専門家、アルバート・サルマン氏が、イタリアのベニスを例に、クルーズ船を多く受け入れた結果、観光客は増えたが米国資本のファストフード店も増加し、地域経済に悪影響をもたらしたことなどを紹介。

 パネルディスカッションでは同連盟の坂元英俊専務らが登壇。パネリストからは「島原の住民が地域に誇りを持つことが大切」「旅行者は観光地のマナーを守る必要がある」などの意見が出された。

 5日は、産学連携による地域づくりをテーマにした分科会などが開かれる。

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