事件背景考え問題共有を 知的障害者ら集い

 障害者19人の命が奪われた相模原殺傷事件を考える集いが5日、東戸塚地域ケアプラザ(横浜市戸塚区)で開かれた。知的障害者らのグループ「にじいろでGO!」の主催で、県内外の障害者や支援者ら約15人が参加。1月の会発足から向き合ってきた事件の背景や障害者を取り巻く社会の問題を共有した。

 会長の奈良崎真弓さん(39)は「怒りや悲しみを語ることも大切だが、これからは社会の問題についてもっと知り、みんなで考えていきたい」と指摘。「事件で問題と言われる『優生思想』を理解していない障害者も多い」とし、「今ある問題を障害者もしっかり学び、どんな社会にしていきたいか考え、発信したい」と語る。

 5回目のこの日は、4月に栃木県の障害者施設で入所者が重傷を負った事件に触れ、「障害者が傷つく事件が相模原以外でも起きている。暴力はなぜ止められないのか」と問題提起。参加者は「自分なら恐怖で止めるすべがないかも」「困っている人がいたら助けたい」などと考えを巡らせ、入所施設のあり方に関する意見も上がった。

 三浦市の鈴木智裕さん(25)は相模原事件に関する報道を目にしなくなったとし、「植松被告が今、何を考えているか気になる」と話し、事件の風化に危機感を示した。

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