【京都紅葉めぐり2017】①高雄・神護寺 京都で最初に色ずく北の名所

京都の紅葉のトップバッターとされる高雄の神護寺=3日、京都市右京区 (写真・田中幸美)

 11月に入って京都では朝晩の冷え込みがめっきり厳しくなりました。いよいよ待ちに待った紅葉シーズンの到来です。春の桜と秋の紅葉、この時期は全国から、いえ海外からも多くの観光客が集まり、大変なにぎわいを見せます。

京都市の中心部からバスで約1時間。清滝川沿いに広がる三尾は北の紅葉の名所です

 京都の紅葉は高雄からやってくるといわれます。高雄は市中心部からバスで約1時間。京都の北西部、清滝川に沿いにあります。ここ数年、温暖化の影響などから色づき始めの時期がかなり遅くなり、市内では場所によっては12月中旬まで紅葉を楽しむことができますが、ここ高雄では、街中よりも半月以上も早く見頃を迎えます。

神護寺山門へと続く石段沿いにも紅葉が広がります

 清滝川沿いに位置する高雄、槇尾(まきのお)、栂尾(とがのお)は「三尾」(さんび)と呼ばれ、いずれも紅葉の名所として知られています。
 高雄山の中腹に位置する神護寺は、弘法大師空海が開きました。空海が東寺を創建する以前に住んでいたり、最澄が法華経の講義をするなど、仏教史上重要なお寺です。また、京都市内で最も早い時期に京都屈指の紅葉を楽しめる古寺でもあります。

神護寺の石段脇の紅葉はこれからが本番

 境内にはタカオカエデと呼ばれるイロハモミジなど、樹齢500年以上の古木が多く残っています。
 金堂へと続く古びた石段に赤や黄のカエデが覆いかぶさるように葉を落とし、色づいた葉の合間からお堂や塔が見え隠れする風景は情趣たっぷり。これぞ〝京都の紅葉〟といったところです。郊外デートにも最適かも。

秋のデートの定番はなんといってももみじ狩りです=神護寺

 さらに、神護寺から北へ約10分歩くと西明寺にたどり着きます。こちらも真言宗の名刹です。もとは、神護寺の別院として創建されたのが始まりといわれています。
 清滝川を眺めながら指月橋を渡り、参道を進むと紅葉に飾られた山門が見えてきます。

西明寺山門からまるで額縁に入ったよな紅葉が眺められます

 境内全体が赤い楓に包まれています。本殿や鐘楼の前の紅葉林がことのほか美しく、苔むした鐘楼が紅葉の色を引き立てているようにも思えます。金堂(本堂)の前には槇尾の名の元となった槙(まき)の大木が立っています。

金堂を彩る木々たち

 11月上旬の気温はやや低めに推移する見込みで、平年より2~3日早く見頃を迎える名所が多いと予想されます。

 紅葉トップシーズンに先がけて、京都の紅葉を一足先にお届けします。(写真はすべて11月3日撮影)

◆神護寺…京都市右京区梅ヶ畑高雄町5。午前9時~午後4時(11月中は午前5時に開門)。問い合わせは、☎075・861・1769。夜間特別拝観と境内ライトアップは、5日(日)~19日(日)、午後5時~午後7時(参道は午後8時まで)
◆西明寺…京都市右京区梅ヶ畑栂尾町1。午前9時~午後5時。問い合わせは☎075・861・1770。
いずれも紅葉の見頃は11月上旬~下旬。

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