わが街の歴史再発見 「都筑区史」区制25年向け編さん

 6日に区制23周年の“誕生日”を迎えた横浜市都筑区では、25周年となる2019年度の刊行を目標に、区史の編さん・執筆が進んでいる。写真や図表を多用して“見て分かる郷土史”を作り、調査で得た新発見も盛り込む。周知活動にも力を入れ、25日にはプレ企画として中世の都筑の歴史を学ぶ講演会が開かれる。

 区史の題名は「図説 都筑の歴史」。読者を高校生以上と想定し、旧石器時代から現在に至るまでの都筑区の歴史をまとめる。

 区制が同時に施行された青葉では既に区史が刊行されたが、都筑にはまだない。15年ごろに区民から刊行の要望が高まり、16年6月に編さん委員会が発足した。区と町内会関係者、地域の歴史に詳しい有識者、区関係団体の代表らが委員に名を連ねる。

 これまで計9回の会議で編さん方法や構成などを検討し、時代ごとに分担して執筆が始まった。調査も行い、中世の石造物が多く残る無量寺(同区佐江戸町)では、経文を中に納める石造りの宝篋印塔(ほうきょういんとう)を新たに発見。「彫り方が優れており、室町時代中期と分かる年号まで刻まれている点で、市内では大変珍しいもの」と副委員長で郷土史家の相澤雅雄さん(69)。区史にトピックスの一つとして盛り込むという。

 区史はA4判オールカラーで横書き、約250ページで2千部を刊行予定。価格や販売方法は未定という。区地域振興課は「学生にも分かりやすく、歴史家が読んでも納得のいく区史にしたい」と話している。

 プレ企画として講演会「見て・感じて・考える都筑の中世」が25日午前10時から区役所で開かれ、郷土史家の中西望介さんが講師を務める。申し込み、問い合わせは都筑図書館電話045(948)2424。

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