フローリングで部屋が埃まみれ!? アレルギー対策は?

カーペット=アレルギーになる! 皆さんそんな風に感じてらっしゃるのではないでしょうか? でも決してそういうわけではありません。

皆さんはカーペットと聞いて何を想像するでしょうか? 良いイメージでいくと「あたたかい」「やわらかい」「おしゃれ」なんていうイメージでしょうか?

では悪いイメージはどうでしょうか?「ダニが……」「アレルギーが……」「掃除が……」「子供が……」こんな感じではないでしょうか?

この、「ダニが……」「アレルギーが……」というイメージは、カーペット業界に大きなダメージを与えました。その影響もあって、20年前、新築住宅の床面積のうち20%程度はカーペットだったのですが、現在はわずか0.2%になってしまいました。

ここでは「ホコリ」と「カーペット」についてのお話。

フローリングはホコリっぽい!?

ほとんどの方は、フローリングなど堅い床材の部屋で生活していると思います。(洋室の床材の99.4%は木質系の床材/2006年厚生労働省のデータに基づく)

ちょっと想像してみてください。

「いつもドアの後ろを覗くとホコリっぽいなあ……」

「掃除したばっかりなのに黒の本棚の上にホコリがたまってるなあ……」

「ピアノの上はホコリが目立って嫌だなあ……」

「ベッドの下なんて覗くのが怖い……」

ちょうどこんな感じの経験が一度はあるのではないでしょうか? それはなぜでしょうか?

フローリングをはじめとする堅い床材は、ホコリを舞い上げやすい素材です。一度舞い上がったホコリは、9時間かけてゆっくりと床に降り注いできます。つまり、皆さんが目にするホコリは、勝手に生まれてきたわけではなく、空気中に浮遊しているホコリが静かな場所に降りてきたものです。

舞い上がったホコリが一番たまりやすいところが、床上30cmの空間です。床上30cmの空間では、赤ちゃんがはいはいしたり、かわいいわんちゃんねこちゃんが普段生活しています。想像するだけでぞっとしませんか?

床上30cmのホコリの話は結構有名で、最近では掃除機のヘッドの上の部分にそのホコリを吸い込むようなものが販売されていたり、空気清浄機の宣伝も床上30cmのホコリの話を取り上げています。

次に、具体的なデータに基づいて、「カーペット」と「ホコリ」の関係みていきたいと思います。

ホコリ対策はカーペット!?

では、カーペットではどうでしょうか? カーペットは、毛が生えているので、ホコリをしっかり床に吸着してくれるという特徴があります。

ドイツの研究機関や、最近ではカーペット工業組合も、空気中のホコリの量を計測したデータがあり、そのデータによると、フローリングの空間はカーペットに比べて倍以上もホコリが空気中に浮遊しています。

ドイツの研究機関のデータ(ホコリの量の比較)

アレルギーは、ホコリを吸い込むことでおこることもあるようです。下のデータをどのように考えるかというのは議論があるところですが、スウェーデンの研究機関がアレルギーと床材の関係を研究したデータがあります。明らかにフローリングの普及とともにアレルギーの患者数は増加しました。

日本でも、前述したようにもうカーペットの面積はわずかに0.2%まで減少してしまい、アレルギーの患者数は増えていっています。(この10年でアレルギー性鼻炎30%増、気管支喘息40%増/2010年(独)国立病院機構相模原病院統括診療部外来部長論文による)

アレルギーの患者数と床材

こういったデータに基づいて、スウェーデンでは、小学校の床にカーペットを敷く動きも一部では出てきているそうです。

カーペットのイメージ、少しは変わったでしょうか? 皆さんに少しでもカーペットの正しい知識を知っていただき豊かな生活を送っていただけることを心から祈っております。

ちなみに僕の家は、家中カーペット敷きです!(カーペット屋さんだからあたり前ですが……)今では少なくなってしまいましたが、僕はカーペットの生活が大好きです!

(文:堀田 将矢)

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