横浜横須賀道路4人死傷事故 発作の恐れあるのに運転した疑い、死亡の男性を書類送検

 横須賀市佐原1丁目の横浜横須賀道路佐原インターチェンジ(IC)の料金所付近で昨年12月、乗用車同士が正面衝突し4人が死傷した事故で、県警高速隊が発作が起きる恐れがあるのに運転して事故を起こしたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の疑いで、横浜市の男性会社員=当時(57)=を容疑者死亡のまま書類送検したことが7日、捜査関係者への取材で分かった。送検は同日付。

 書類送検容疑は、昨年12月10日午後3時25分ごろ、佐原IC料金所付近で、発作が起きる恐れがあったにもかかわらず乗用車を運転。発作による意識障害で対向車線に飛び出し、衝突した対向の乗用車の助手席にいた男性会社員(51)を死亡させた。また、対向の乗用車を運転していた男性(74)と自分の車に同乗していた女性(38)にそれぞれ重傷を負わせた、としている。

 同隊によると、書類送検された男性会社員は昨年10月に勤務先の富山市内で事故を起こし、同11月に病院の検査で脳腫瘍の疑いがあることが判明。その際に医師から「運転は絶対にしないで」と言われたほか、事故前の同12月にも別の病院の医師から運転を控えるよう告げられていた。

 事故後、同乗の女性は「(男性会社員が)会話中に突然応答しなくなり、目を開いて前を向いているだけの状態になった。アクセルも踏み込んだままで突っ張って固まってしまい、相当速度が出ていた」などとも説明。同隊は、こうした状況から男性会社員が正常な運転ができない恐れがあったのに運転したと判断した。

 同隊によると、現場は片側1車線の直線道路。料金所手前で発作が起き、意識障害に陥ったとみられ、とっさに助手席の女性がハンドルを操作した。その後、車は料金所のバーを突き破り、時速110〜150キロ程度で数百メートル走行。道路左の壁に衝突した反動で反対車線の壁にぶつかった後、対向車線の乗用車と正面衝突して炎上した。

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