住宅街近くでシカ目撃相次ぐ 相模原・中央区

 相模原市中央区上溝の住宅街近くの河原などで4日、シカが相次いで目撃された。市博物館によると、角などの特徴からホンシュウジカのオスとみられ、近年は同区内で出没した記録はないという。

 相模原署によると、同日午前9時40分ごろ、鳩川に架かる西之根橋の欄干を飛び越えて道路から川に入ったと住民から110番通報があり、約40分後、別の住民からも上溝6丁目の鳩川をシカが歩いていると通報があった。署員が駆け付けた時には姿を消していた。

 近くの住民で新舞踊の家元(82)も目撃者の一人で、「自宅裏の川べりにいたシカと目が合った。目撃直後は家族の誰にも信じてもらえず切なかった」と笑う。隣接する長女宅に設置していた防犯カメラに、河原を歩くシカの姿が捉えられていることが判明。映像を見て周囲も驚いたという。

 市博物館によると、10月に同市緑区大島周辺で目撃情報が寄せられていた。学芸員は「緑区には多いが、中央区に出没したとは驚いた。シカは泳げるので川を渡ることはできる。行動範囲は広く、分散している可能性が高い」と話している。

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