腰痛予防用の「腰サポーター」、ワコースチールが本格導入

 ワコースチール(社長・清水健五氏)では、厚板の溶断・加工現場における重筋作業の軽減に寄与する作業支援用サポーター「夢の腰サポーター」(吉見製作所製)を本格的に採り入れた。

 溶断職場に18体、開先や仕上げを行う厚板加工職場に約10体、そのほか溶接作業や運搬作業の担当要員も対象にトータルで38体を用意。効果を最大限にするため一人ひとり採寸し、ジャストフィットするようオーダーメードした。

 「夢の腰サポーター」は、形状記憶合金の持つバネ特性を生かして腰痛を予防する。形状記憶合金の「超弾性」特性が、いわば「一定の力で大きく曲がり、元に戻る」というバネ効果となり、屈曲時の腰部への負担を軽減するサポーターだ。〝コルセット〟の要領で腰に装着することで腰部をガードする。

 今年の春から、まずは1セットを購入し、厚板溶断職場で使用を開始した。実際に使った現場オペレータの使い勝手や評判は上々で「効果あり」を実感。ほかの必要者にも支給することで広く現場作業者の労働環境改善および労災防止につなげようという清水社長の〝思い〟のもと、その数は38体となった。

 溶断・加工現場では重量物の仕分け・片づけ時の上げ下ろし、長時間に及ぶ、かがんだ姿勢での溶断・印字作業、グラインダー掛けやノロ取りなど重筋作業が多く、腰の疲労や腰痛に悩む作業者への緩和策が企業にとっても重要テーマのひとつだ。「夢の腰サポーター」(特許・意匠登録済)は脱着が簡単で通気性の高さが特長。サイズは4タイプで価格は一体6万円前後(税抜)。

© 株式会社鉄鋼新聞社