九州新幹線長崎ルート 沿線5市、全線フル規格要望

 九州新幹線長崎ルートの開業を巡り、長崎、佐賀両県の沿線5市長は11月7日、国土交通省を訪れ、全線フル規格での整備を要望した。冒頭を除き非公開で対応した藤井直樹鉄道局長は、長期化への懸念も出ている武雄温泉駅での新幹線と在来線特急のリレー方式に伴う対面乗り換えについて「できるだけ短い期間で済むよう十分配慮したい」と答えたという。

 田上富久長崎市長、宮本明雄諫早市長、園田裕史大村市長、谷口太一郎嬉野市長、小松政武雄市長の5人。5市が連携して全線フル規格を求めるのは初めて。5市議会の代表も同行し、国交省のほか財務省、総務省、地元選出国会議員の事務所を訪れた。

 国交省は現在、全線フル規格とミニ新幹線を軸に整備費用や収支採算性などを具体的に比較検討中。出席した市長らによると、今後の具体的なスケジュールや佐賀県に新たに発生する財政負担についての国と県の協議などを問うたが、藤井局長は「選択肢を整理して示し、与党検討委で議論していくことになる」との発言にとどまったという。

 要望は、全線フル規格の利点を「速達性や安全性などに優れ、広域的な交流人口の拡大という本来の新幹線整備の効果を最大限に発揮できる」と指摘。2022年度に着実に開業することも求めた。

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