住友電工と富山大学、「耐熱マグネ合金」開発 自動車部品を軽量化

 住友電工は8日、耐熱性に優れたダイカスト用のマグネシウム合金を富山大学と共同開発したと発表した。マグネシウムは実用金属として最も軽いことが特長。自動車部品で用いれば軽量化による燃費向上に貢献できる。新合金は従来品から耐熱性を6倍以上に向上。エンジン回りや電気自動車の部材など、高温環境下で使われる部品向けで期待している。18年度以降に必要に応じて新合金インゴットの生産体制を整え、素材として市場への供給を目指していく。

 開発では住友電工がサンプルの試作や評価など実用化に近い領域を担当。富山大学工学部の才川清二教授らの研究グループが合金組成の改良や耐熱特性を高めるメカニズムの解明など基礎的な部分を担った。

 開発合金は150~200度の高温化で高い引張強度を示すほか、ボルト締結などで圧縮応力を加えても変形しにくい。併せてダイカスト鋳造性に優れていることに加え、再溶解・鋳造時の組織変動が小さくリサイクルが可能なことも特長。また高価な希土類元素を使っていない。自動車部品ではオイルパンやミッションケースなどでの適用を期待している。

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