DJI、企業向けにドローン業務を効率的に管理する「FlightHub」を発表

DJIは、企業やドローンサービスのプロバイダーを対象に、単一プラットフォームでドローンの効率的な業務管理を提供する「FlightHub」を発表した。FlightHubはベーシック、アドバンスド、エンタープライズの3種類のプランで提供する。ベーシックプランとアドバンスドプランは、DJIオンラインストアにて販売予定。エンタープライズプランの販売時期および価格は未定。料金と詳細は以下の通り。

(以下、プレスリリースより引用)

■ベーシック 月額料金:税込12,800円 年間料金:税込129,000円 リアルタイムビューを除くすべての機能が最大5機のドローン利用可能

■アドバンスド 月額料金:税込38,800円 年間料金:税込388,000円 ベーシックプランのすべての機能とリアルタイムビューの機能が、最大10機のドローンで利用可能

■エンタープライズ アドバンストプランのすべての機能が、最大10機のドローンで利用可能。さらにデータをプライベートクラウドに統合できる機能が追加予定 ※エンタープライズプランの販売時期および価格については後日改めてご案内します

FlightHubは、ドローンの飛行オペレーションからフライトデータ、パイロットやフリート(航空隊)のリアルタイム管理を実現し、拡大するドローンの商業用途のニーズに応えるとしている。DJIのエンタープライズパートナー部門を統括するJan Gasparic氏は次のようにコメントしている。

Gasparic氏:ドローン技術をビジネスに活用したいというニーズは、日々高まり続けています。また業務計画を迅速に立て、さまざまな現場でフリートやチーム数を効率的に管理するためのソリューションが求められています。FlightHubは、ビジネスシーンにおける効率的なドローンのオペレーション管理を可能にする、世界初のソリューションです。単一プラットフォームで提供するFlightHubは、操縦現場から離れた場所からでも安全に管理でき、準備のために必要な時間はわずか数秒です。

ドローンオペレーションを遠隔からリアルタイムで確認

FlightHubは、現場のパイロットと離れた場所にいるチームとを連携し、ドローンの業務活用の一元管理を実現。マップビューとリアルタイムビューは、テレメトリデータ、カメラデータやセンサーデータなどの情報を表示する。

■マップビュー

地図情報を基に、現場から離れた場所にいるチームに飛行中のドローンのテレメトリデータをリアルタイムで提供することで、ドローンの一斉飛行や複数チームによる飛行などのオペレーションが行える。さらにジオフェンシングシステムにより、規制や制限による飛行禁止エリアや、安全上飛行に問題があるエリアが自動で特定される。

■リアルタイムビュー

現場から離れた場所にいるチームに、飛行中の最大4機までのドローンからライブ動画の配信が可能。現場のパイロットと離れた場所にいるエンジニアの情報連携が行え、リアルタイムデータの提供が可能。

どこからでも安全にフライトデータへアクセス

FlightHubは、データ管理ツールの飛行データを検索できるデータベースに同期・保存可能な機能を搭載している。

■フライトログと統計情報

これらの情報はデータベースに同期して保存可能。過去のフライト情報も検索可能なデータベースが作成され、パイロットは飛行情報をマニュアルで記録する必要がない。アドミニストレーターは過去のテレメトリデータを保存でき、規制や法令への順守とオペレーション管理を行える。

■安全なWebアクセスとクラウドストレージ

米国を拠点とするAmazon Web Service(AWS)サーバーを介してWebブラウザからFlightHubへアクセス可能。FlightHubのデータ管理オペレーションは、SOC2 AICPA基準に準拠した評価を受けており、今後のバージョンで、企業や団体の高レベルなデータセキュリティの要求にも応えるプライベートクラウド機能が統合される予定。

■メディアライブラリー

DJI Pilotから直接FlightHubへ伝送し、時間が短縮できるほか、DJI PilotやSDカードからデータをマニュアルで伝送するプロセスも省略可能(近日公開予定)。

フリートとチーム管理を簡単に

FlightHubは、内部のリソース管理を強化するため、効率的なチーム間調整や効果的な機材購入とメンテナンスを可能にする階層を設定し、飛行チームとフリート(航空隊)の概要を提供する。

■フリート管理機能

機体の使用状況の追跡や、フライトを個々のデバイス名で監視が可能。

■チーム管理機能

Administrator(アドミニストレーター)、Captain(キャプテン)、Pilot(パイロット)の階層システムからチームを設定、管理を行える。またクライアント、位置、ミッションタイプによってチームをセグメント化も可能。

BNSFのUASフィールドオペレーションマネージャーNick Dryer氏は次のようにコメントしている。

Dryer氏:BNSFで最初にドローンによるプログラムを開始した時は、マニュアルでの飛行データの記録や現場にいるチームに常にメンテナンスの指示をするなどの複数プロセスを一から開発する必要がありました。FlightHubは、オペレーションと内部コミュニケーションを単一プラットフォームでリアルタイム提供するため、プログラム管理が極めて容易になりました。このソリューションは、新しい技術をあらゆる産業へ幅広く拡大させる機会を与えてくれます。

FlightHubへのアクセスはWebブラウザから可能。データはユーザーのAndroidで作動するDJI Pilot、またはDJI CrystalSkyのモニターから伝送される。FlightHubは、MATRICE 200シリーズ、MAVIC PRO、PHANTOM 4シリーズ、INSPIRE 2に対応する。

なお、DJIではFlightHubのオープンβテストへの参加者を募集している。テスト期間は2017年11月14日~12月14日まで。βテストに参加ユーザーにはテスト期間中ベーシックアカウントが無料で提供され、βテストの終了後より、FlightHubサービスを開始する。FlightHubについての情報、オープンβテストへの参加は同社Webサイトより。

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