【私鉄に乗ろう 27】松浦鉄道 西九州線 有田〜伊万里 その1

※この「私鉄に乗ろう」の写真は、筆者がプライベートで旅行して撮影したものです。鉄道会社さんから許可をいただいていませんので、乗車券があれば誰でも入れる場所からの写真です。素人のスナップ写真なのでクオリティーには目をつぶってご覧ください。

九州の私鉄

このコラムでは基本的に大手私鉄16社、準大手私鉄5社を取り上げる予定はありません。ですから九州でも西鉄はレポートしません。それでも筑豊電気鉄道、福岡市交通局、甘木鉄道、平成筑豊鉄道、北九州モノレール、島原鉄道、長崎電気軌道、熊本電鉄、南阿蘇鉄道、くま川鉄道、熊本市交通局、肥薩おれんじ鉄道、鹿児島市交通局、そして沖縄のゆいレールがあります。その中でも今回の松浦鉄道は肥薩おれんじ鉄道と並んで長い路線を運行する鉄道会社です。経緯は違いますが国鉄(JR)から移管した第三セクターの鉄道会社という点では共通です。こうしてザッと列べてみると九州の私鉄はあまり取り上げていませんね。まだまだこれからです。

松浦鉄道

まず有田駅から伊万里駅まで乗ります。1898年(明治31年)に伊万里鉄道が陶器運搬のために開業した路線です。国有化されて伊万里線となって1944年(昭和19年)吉井まで延伸されて松浦線と繋がりました。

一方の松浦線は石炭運搬用に佐世保軽便鉄道が相浦〜大野(現・左石)〜柚木間に鉄道を1920年(大正9年)に開業したのが始まりで、1936年(昭和11年)の国有化によって軽便鉄道から狭軌に改軌されました。1984年(昭和59年)第2次特定地方交通線として廃止が承認され1988年(昭和63年)に第三セクター松浦鉄道に転換されています。

有田駅から乗ります

2016年7月末に乗った時の写真ですが 沿線の緑が綺麗です 個人的にも松浦鉄道の沿線は最も好きな車窓のひとつです
JR九州佐世保線の有田駅3番ホームが松浦鉄道西九州線の乗り場です。駅の北側にはJR貨物有田駅のコンテナ集配基地となっています。

ただし、1996年(平成8年)以降、貨物列車の発着はなくトラック便代行駅なので「有田オフレールステーション」という名称です。

これから乗る松浦鉄道MR-600形気動車606号車。松浦鉄道オリジナルですが真岡鐵道モオカ14形と同型の日本車輌製造製の18m車両。2006年から導入され旧型車両を置き換えています。MR601-608は眼の前の車両の様にボディに黒いライン、MR609-616は青、MR617-621は赤のラインが入っています。

これが車内。

16:58発伊万里行が出発します。

電化されているJR佐世保線と列んでゆきますが、松浦鉄道の上には架線はありません。佐世保線からの渡り線の上には架線があります。

ここで佐世保線と分かれて松浦鉄道は右の方に、

三代橋駅。残念ながら逆光気味です。画像下部にノイズが入っていますが御容赦ください。1989年(平成元年)開業の松浦鉄道では比較的新しい駅です。

黒川(くろごう)駅。この駅も1997年(平成9年)開業と新しい駅です。

駅名標。綺麗です。

蔵宿(ぞうしゅく)駅。

1898年(明治31年)伊万里鉄道開業当初からある駅。

有田方面ホームに1913年(大正2年)建造の木造駅舎があります。何とも魅力的で、正直、降りてゆっくり眺めたかったのですが、実はこの時点で17時を過ぎていました。7月末日とは言え、流石に次の列車になると残りの駅が撮れない懸念があったので泣く泣く諦めました。全国でゆっくり再訪したい駅舎のベスト10に入ります。駅名標は剥げていて読めません。

旧国鉄時代から残っているかの様な駅予告票。でも西有田駅は1996年(平成8年)開業の新しい駅です。

西有田駅。立派な駅舎はアジア文化交流プラザとの合築。

壁面に煉瓦が使われています。駅名標。

線路脇に小さなお社がありました。グリーンの中に赤いアクセント。

緑豊かな松浦鉄道をゆきます。松浦鉄道 西九州線 有田〜伊万里 その2に続きます。

(写真・記事/住田至朗)

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