住友金属鉱山の子会社・太平金属工業、特殊合金鋳造品の事業撤退

 住友金属鉱山は9日、連結子会社で特殊合金鋳造品の製造・販売を行う太平金属工業の事業撤退を決定したと発表した。受注数量の大幅な減少など事業環境の変化と、今後の事業成長見通しから判断した。18年6月末をめどに事業から撤退した後、設備の撤去工事などを行い、19年度中に解散決議を行う予定。事業撤退に伴う今期決算での損失額は約30億円を見込む。

 太平金属工業は、リーマン・ショックによる世界的な金融危機の発生以降、プラント建設などの設備投資額が減少し、受注数量・金額ともに大幅に減少していた。さらに安価な海外品との競争も激化し、国内鋳鋼業界を取り巻く環境が非常に厳しく、今後の損失改善、事業の成長が困難であるとの見通しから事業撤退を決めた。同社の16年度売上高は20億円だった。

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