首都直下見据え訓練 神奈川など、津波想定や高所避難も

 首都直下地震に備える広域的な実動訓練が10日、神奈川や東京、埼玉などで行われ、国や自治体、関係団体が復旧や支援時の連携を確かめた。東扇島地区基幹的広域防災拠点(川崎市川崎区)では、海や空からの物資輸送を試みるとともに、「世界津波の日」(5日)にちなみ高所への避難訓練も実施した。

 都心南部の直下地震で川崎市内は震度6強の揺れとなり、多数の死者や建物倒壊が出たと想定。応援要員が船などで参集し、消防が車両から救助した負傷者をヘリコプターで都内の病院に搬送した。

 さらに、液状化を起こした地盤の復旧や仮設橋の敷設を進めて応急活動の環境を整え、自衛隊などの船艇やヘリが食料や医薬品を運び込んだ。ドローンによる岸壁などの被害状況調査も行われた。

 津波避難訓練には、地元の市立四谷小学校の4年生約80人が参加。警察官らの誘導で3階建ての避難施設に向かい、屋上や上階を目指した。

 同拠点内にあり、24時間態勢で発災に備えている国土交通省首都圏臨海防災センターの高谷浩一郎センター長は「関係機関と顔の見える関係を構築するためにも、こうした訓練を重ね、スムーズに活動できるようにしたい」と話していた。

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