心肺蘇生法をPR 相模原市消防局が広報車導入

 相模原市消防局は心肺蘇生法などを市民にPRする救急普及啓発広報車1台を導入した。北消防署が11日、大型商業施設「アリオ橋本」屋外駐車場(同市緑区大山町)で開く消防フェアで市民にお披露目する。

 救急普及啓発広報車は、日産自動車のマイクロバス「シビリアン」を改装した車両で、長さ約6・5メートル。救急振興財団が同市に寄贈した。同様の車両は県内では藤沢市内で1台が稼働しているという。

 車体側面を横に展開し、長さ2・6メートル、幅1・5メートル、高さ95センチのステージ(台)を設けられる。車両に搭載した心肺蘇生訓練用の人形をステージに横たえ、消防職員が人形の胸を強く押す心臓マッサージなどを実演。ステージの周りに集まってもらった市民に、実演を見ながら心肺蘇生法を学んでもらう。

 市内の各消防署ではこれまで消防フェアなどの際に、地面にシートを敷いて人形を横たえて実演していた。救急普及啓発広報車が導入されたことで、場所を問わずに実演しやすくなった。

 同消防局によると、2016年の市内の救急搬送は3万1594件に上り、うち50・7%を65歳以上の高齢者が占める。救急普及啓発広報車を活用して、心肺蘇生法を老人福祉施設職員などをはじめ市民に周知。応急手当てのできる市民を増やすことで、同消防局は「具合の悪くなった人を見つけたら心臓マッサージを行ってもらい、救命率の向上につなげられれば」と期待している。

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