ヤンキース番記者、獲得前から大谷の起用法予想「DHや外野で出場しつつ、先発」

MLB挑戦を正式表明した日本ハム・大谷翔平【写真:田口有史】

名門球団の今オフのキーポイントは「監督探し&大谷獲得」

 日本ハムの大谷翔平投手は11日、都内の日本記者クラブで会見を行い、ポスティングシステム(入札制度)を利用してメジャー挑戦に踏み切ることを表明した。前日には日本ハムがメジャー挑戦を承諾したことを発表し、米国でも大谷の移籍先に大きな注目が集まっているが、多くのメディアが最有力候補として挙げるヤンキースで、「先発投手&DH&外野手」をこなすことになるとの報道も出てきた。

 米ケーブル局「ESPN」(電子版)は10日(日本時間11日)にレッドソックス、ヤンキース、レイズ、ブルージェイズ、オリオールズと強豪がしのぎを削るア・リーグ東地区の今オフシーズンの展望を掲載。ヤンキースの項目で、キーポイントとして今季限りで退任したジョー・ジラルディ前監督の後釜探し、そして、「ショウヘイ・オオタニ」の獲得が挙がっている。

 記事を執筆しているのは、ESPNのヤンキース番を務めるアンドリュー・マーチャンド記者。「ヤンキース:本当に今オフは静かなものとなるのか?」とのタイトルで分析しており、「今冬はヤンキースにとっては静かなものとなるだろう。新監督探し、日本のベーブ・ルース獲得、いくつかのトレードを除いては、だ」と言及している。

 まずは、若手選手とのコミュニケーション不足、信頼関係の希薄さなどが退任理由と伝えられているジラルディ前監督の後任については「キャッシュマンGMはジラルディ前監督よりも若手選手たちと繋がりを持てるAJ・ヒンチのような監督を探している」と指摘。今季、アストロズを世界一に導いた指揮官が理想像になるという。

「大谷はDHや外野での出場を行いつつ、先発6番手になり得る」

 そして、もう1つのポイントに挙げた大谷については、以下のように説明している。

「23歳の二刀流、大谷翔平はアメリカでのプレーを希望している。実現することになれば、彼は新労使協定の関係で大型契約を結ぶことはできない。すなわち、ヤンキースにとっては、これ以上ない獲得のチャンスなのだ」

 破格の予算で獲得できるため、全30球団の争奪戦になるとも予想されている大谷。ただ、定められた契約金の設定でレンジャーズに続いてメジャー2番目に余裕があるヤンキースを移籍先として本命視する声は多い。

 同記者は、ヤンキースが大谷を獲得した場合の起用法として「大谷はDHや外野での出場を行いつつ、ヤンキースで先発6番手となり得るだろう」と予想。ジラルディ前監督は以前、大谷を獲得できた場合には、先発ローテーションの枠を6人に増やし、登板間に打者として起用することも可能だと明かしていた。当然、この考えはチーム内で統一されたものであるはずで、8月に札幌ドームまで登板を視察に訪れたキャッシュマンGMも共通の認識を持っているはず。まさに二刀流プレーヤーとして、大谷を必要としているようだ。

 メジャー随一の名門球団が、大谷獲得を熱望していることは確か。「投手&DH&外野手」で起用するとの口説き文句があれば、本人の心が揺れ動く可能性は十分にある。

(Full-Count編集部)

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