県西地域の防災どう連携 南足柄で研究会

 防災面での県西地域の連携について考える「広域防災研究会」が11日、南足柄市塚原の岡本コミュニティセンターで行われた。神奈川・県西2市8町が課題について報告し共有したほか、避難所設営・運営を想定したワークショップなどが行われた。

 市民と産官学が協働し地域課題に取り組む「南足柄みらい創りカレッジ」のプログラムの一環。南足柄市が主催し、小田原市と足柄上郡・下郡の8町が参加したほか、自治会関係者や地元の中高生、大学関係者、企業など計約130人が参加した。

 冒頭、内陸部の岩手県遠野市が東日本大震災発生時、被害が大きかった沿岸部に対して行った後方支援について、本田敏秋市長が基調講演。「訓練を日頃から行っていたので発災後スムーズに対応できた」とし「広域連携による防災力向上は本当に大事」と話した。

 パネルセッションでは、2市8町の防災の各担当課が「山岳地帯に住む住民が災害時に孤立する恐れがある」「訓練への若年層の参加が少ない」など課題を報告し合い共有。「周辺自治体の災害の特色について知っていきたい」「いざというときに助け合えるよう、平時から近隣との付き合いを大切にしたい」など今後の備えについて意見を出し合った。

 マグニチュード(M)8・0の地震が発生したことを想定し、避難所の設営・運営を体験するワークショップも住民らを交えて実施。5〜7人でグループをつくり、避難者情報が書かれたカードと避難所内の図面を見ながら「同じ地区同士の人をまとめよう」など声を掛け合い災害時対応を確認した。

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