トランプ氏「金正恩はチビでデブ」、ツイートでわざと言及

ベトナムの首都ハノイを訪問中のトランプ米大統領は12日、北朝鮮の金正恩党委員長について、ツイッターに次のように投稿した。

Why would Kim Jong-un insult me by calling me “old,” when I would NEVER call him “short and fat?” Oh well, I try so hard to be his friend – and maybe someday that will happen!

和訳すると、「金正恩はなぜ私を『老いぼれ』と呼んで侮辱するのか。私は彼を『チビでデブ』だとは決して言わないのに。まあ、しょうがないから友達になれるよう頑張ってみるさ。いつかそんな日が来るかもな!」といった意味になる。

「友達」の可能性はゼロ

このツイートは、次のような解釈が可能だ。

投稿の前半は、北朝鮮の外務省報道官が11日、トランプ氏のことを「気が狂った老いぼれ」と揶揄したことに反発。自分は侮辱的なことを言っていないという体裁を取りつつ、金正恩氏は「チビでデブである」と敢えて言及したものと思われる。

また、トランプ氏は8日、韓国国会で行った演説で、北朝鮮が最も敏感に反応する国民への人権侵害に長時間にわたり言及。金正恩氏を「残酷な独裁者」と非難した。

金正恩氏は、すでに米国から人権問題で制裁指定されており、国連においても「人道に対する罪」により訴追される可能性が取りざたされている。米国の大統領がそのような国家指導者と「友達」になれる可能性はゼロに近い。従ってツイートの後半部分は、北朝鮮に核問題での対話に応じるよう促すための方便か、「友達になれる日は来そうもない」との考えを、裏返しにして強調した可能性がある。

そもそも、全世界の前で「チビでデブ」と呼ばれた金正恩氏がトランプ氏と「友達になりたい」と考える可能性こそゼロに近いと言える。

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