『Omnisport』は10日、元ドイツ代表GKイェンス・レーマンの新しい自伝についての記事を掲載した。
かつてシャルケ04やボルシア・ドルトムントでプレーしたレーマンであるが、最も有名なのは2003~08年に所属したアーセナルでのプレーだ。
2005-06シーズンには伝説の「インビンジブルズ」の一員としてプレミアリーグ無敗優勝に貢献するなど、大きな印象を残した。
彼はアーセナルに加入した際のエピソードについて以下のように書いているという。
イェンス・レーマン 「最初のトレーニングマッチで、私はアンリと同じチームになった。そして、彼がボールを失った時に言ったんだ。
『おい、ティエリ!行けよ、ボールを追いかけろ!行け、奪い返せ!』と。
アンリは傑出した技術を持っていた。彼は既にイングランドの王様のように考えられていた。
彼の顔が上がると、フランス語で罵倒された。明らかに不敬罪だと思ったね。
我々ドイツ人は80年以上前に貴族を追い出したのだ!と心の中で思った。誰もが平等であることの方がいいね。
まあ、それからも私はボールを失うたびに彼を煽ったよ。もはや彼が馬鹿みたいにゴール前で立っているだけではいられないほどにね。
結局、彼はボールを失った後に走るようになった。私にとっては特別なことじゃない。
ただ、これは明らかに我々全員にとって巨大な進歩だったね。
別に彼をターゲットにしたわけではないけどね。単に自分はそういう責任を負っている選手だと思っただけだ」
【次ページ】アンリがバルセロナに去った時、強い怒りを覚えた…
イェンス・レーマン 「2007年にアンリがバルセロナに去った時は、強い怒りを覚えた。
『ああ、これでイングランドのサッカーは終わった』と思った者は私だけではないだろう。
彼の技術、スピード、得点力、そして効率が、プレミアリーグ全体の価値を高めていた。名声が高かったため、誰も彼を正しく攻撃しなかった。
技術的な点で評論するとすれば、かつての同僚たちが心に浮かぶ。
過大評価されている者もいる。そういう選手に『ボールが固い、太陽が眩しい、ピッチが乾燥している』とあだ名をつけた。うまくいかないときにはいつもそんな言い訳をするからね。
代表選手にも何名かいた。例えばトーマス・ブルダリッチだ。シュートはない、パスもない、ドリブルもないが、言い訳に関してはマスタークラスだったね。
長い間、素晴らしい選手たちと一緒にプレーできたことは幸運だった。オラフ・トーン、アンディ・ミュラー、ローター・マテウス。ただ、最終的に最も印象的だったのはアンリだったよ。
彼のスピードや、作り出すスペクタクルだけじゃない。その知性的なパーソナリティもだ。アーセナルにいたときのティエリ・アンリは、世界最高の選手だったよ」
なお、レーマンの自伝「The Madness is on the Pitch」は英国で11月14日発売である。