北朝鮮の次のミサイル発射はいつか。通常は年明けなのだが…

北朝鮮のミサイル発射が止まってから、ちょうど2カ月になる。最後の発射は9月15日で、中距離弾道ミサイル「火星12」型が北海道上空を越え、太平洋に着弾した。それ以降は短距離ミサイルや対艦ミサイルを含め、いっさい発射されていないわけだが、だからと言って、核兵器開発に突き進んできた金正恩党委員長が心変わりしたわけではない。

「チビでデブ」に反撃か

韓国の情報機関、国家情報院によると、平壌のミサイル関連施設では車両が活発な動きを見せている。また、朝日新聞は11日、北朝鮮が今月、弾道ミサイルに使う固体燃料式エンジンの燃焼実験を複数回実施したもようだと報じた。ソウルの軍事情報筋によれば、新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)か、SLBMから派生した陸上型の中距離弾道ミサイル「北極星2」改良型の実験と見られるという。

ミサイル発射が続くのがほぼ確実となれば、まず気になるのは「次はいつなのか」だろう。過去のデータによれば、もともと10-12月は発射回数が少ないのだ。また、1年の前半には国家的な記念日が目白押しで、春と秋には米韓合同軍事演習がある。そのようなデータを読み解けば、次のミサイル発射が年明けになりそうであることは、容易に想像がつく。

だが、何事にも例外というものがある。北朝鮮は独裁国家でもあり、金正恩氏が「今撃とう」と言えば、すべてがそれに従うことになるのだ。「今はやめましょう」と進言などしようものなら、どんなひどい目に遭わされるか側近たちもよくわかっているのだ。

その点で気になるのが、北朝鮮とトランプ米大統領の「罵倒合戦」である。トランプ氏が金正恩氏のことを「ロケットマン」と揶揄した際には、北朝鮮は外相の国連演説で猛反発した。そして最近では、トランプ氏がツイッターで、金正恩氏のことを「チビでデブ」と呼んだばかりだ。しかも、トランプ氏はなかなか巧みなやり方で「口撃」しており、さすがの北朝鮮といえども、これに正面から言い返すのは難しいはずだ。

仮に、北朝鮮側がトランプ氏のツイートに対抗する有効な「口撃」策を思いつかなければ、慣例を破り、「季節外れ」のミサイル発射に踏み切る可能性はじゅうぶんある。

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