ピンク・フロイドの“ヴォイス&ギター”といわれるデヴィッド・ギルモアが、15年にリリースしたソロ・アルバム『飛翔』の欧州ツアーのために選んだ会場は、イタリア・ヴェローナの古代ローマ時代の円形闘技場、フランスのシャンティイ城などの歴史的建造物。ご紹介する作品は紀元前90年に建築されたポンペイ円形闘技場で16年7月に行われたショーのライヴ・アルバムです。
コロセウムに代表される古代の円形闘技場はスペクタクルムと呼ばれ、視覚的に壮大な情景をさす“スペクタクル”の語源となったということですが、ここに収録されたライヴもまさに、スペクタクルそのものといえます。
収録全21曲には『飛翔』などソロ・アルバムからの曲とともに13曲のピンク・フロイドのナンバーも含まれています。特に「マネー」「タイム」「コンフォタブリー・ナム」での演奏は圧巻。サウンドだけでもその壮大さは感じられますが、DVDでは古代遺跡を舞台にした光のスペクタクル・ショーが楽しめます。
(ソニー・ミュージック・3200円+税、デラックス・ヴァージョン・CD+DVD・10000円+税)=北澤孝