中高生が担う「共助」 平塚・太洋中、避難所運営の経験学ぶ

 東日本大震災で避難所を運営した当事者から話を聞き、今後の備えなどに生かす防災講演会が14日、神奈川県平塚市高浜台の市立太洋中学校(生徒338人、栗木雄剛校長)で開催された。全校生徒が参加、メモを取りながら熱心に耳を傾けた。

 講師は仙台市で避難所を運営し、震災以降は年間約30校で防災教室を実施している地域防災アドバイザーの吉田亮一さん。昼間の避難所運営の主力となる中高生が担う「共助」について解説した。

 災害発生後、職場や家庭の復旧作業に取り掛かろうと避難所を離れる大人に代わり、中高生が到着した救援物資の個数把握のための台帳作成や幼児の相手役を担った実例などを紹介。吉田さんは「中学生も地域の一員。地域の防災訓練に必ず参加して何ができるかを示し、地域住民と顔の見える関係を普段から構築してほしい」などと力説した。

 また、地震発生時の身の守り方や、炊き出しの練習として訓練時からプロパンガスではなく薪(まき)の使用を呼び掛けるなど、実践的なアドバイスもあった。

 生徒会の2年鳥海瑛悟さん(14)は「想定以上の備えが必要と聞いて考え方が変わった。太洋中は海が近く、津波が危険な地域。慌てるだけでなく訓練をして前々からしっかり備え、今回の講習を生かして中学生が率先して行動したい」と話していた。

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