【MLB】米名物記者のFAランク、大谷1位&ダル2位&イチロー109位 NPB組も多数

日本ハム・大谷翔平(左)とドジャースダルビッシュ有(右)【写真:田口有史、Getty Images】

平野、牧田、涌井、マイコラスらもランクイン

 日本ハムの大谷翔平投手がポスティングシステム(入札制度)を利用しての米挑戦を表明したことで、メジャーリーグのストーブリーグは日本人投手2人が主役となりつつある。ドジャースからFAとなったダルビッシュ有投手はどんな大型契約を手にするのか。一方、新労使協定のもとでは契約が制限される大谷は、どのチームを選ぶのか。米国でも大きな注目が集まっている。

 米ヤフースポーツの名物記者として知られるジェフ・パッサン氏は、今オフのFA選手をランク付け。旧ポスティングシステムが1年間継続となれば、日本ハムが設定した譲渡金を支払う意志のある全球団との交渉が可能なため、実質FA選手と見られている大谷が堂々の全体1位に選出された。ダルビッシュは2位で、ワールドシリーズでの2試合連続KOは影響がないと分析されている。この他、オリックスの平野佳寿投手、西武の牧田和久投手、ロッテの涌井秀章投手ら、日本からメジャー移籍を目指す選手もランキング入りしている。

 新労使協定のもとでは、マイナー契約しか結ぶことの出来ない大谷について、記事では「世界的にも屈指の選手であり、間違いなく最も興味をそそられる存在であるが、今冬は353万ドル(約4億円)以上の契約は結べない」と指摘。契約金が制限されることに言及している。

 資金力のある球団が有利というわけではないため、米メディアも移籍先の予想が難しい様子。パッサン記者は「大谷は今このタイミングでの挑戦を希望している。どちらのリーグを希望しているのか、西海岸なのか東海岸なのか、二刀流なのか投手一本なのか。こういったことは全て明らかになっていない」と付け加えている。

マイコラスは「複数年契約を獲得するだろう」

 大谷に次ぐ全体2位と評価されたダルビッシュは、総額1億5000万ドル(約170億円)程度の契約を手にするとも見られている。ワールドシリーズでの2試合連続KOが影響するとの見方もあるが、ダルビッシュが残してきた実績は、この程度では傷がつかないとパッサン氏は分析。「彼は今でも優秀な投手であるが故に、このリストでも上位につけている。2試合の先発だけでこれは揺るがない」としている。

 日本人投手でこの2人に続くのが、40位の平野。救援投手では13位で「伝統的な速球とスプリットを駆使するスタイルの33歳リリーフ投手である平野は、日本での抑え経験とポスティングシステム不要ということが作用して、人気候補となるだろう」と高く評価されている。また、アンダースローで注目を浴びる牧田は全体55位、救援では18位にランクイン。寸評には投球フォームの動画リンクも添えられており「33歳の牧田は奪三振を多く奪うタイプではないが、62回2/3で5四球しか与えていない」とコントロールの良さも特筆している。

 40歳超の大ベテラン2人は、上原浩治が救援23位&全体67位、イチローは外野21位&全体109位。ロッテから海外FA権を行使してメジャー挑戦を目指す涌井秀章投手は先発28位&全体116位で、マイナー契約か招待選手でのメジャーキャンプ参加になるとの厳しい予想となっている。マリナーズとの再契約も予想される岩隈久志投手は、右肩の手術後とあって先発34位&全体137位とされた。

 また、日本に関係のある選手では、元阪神でカージナルスからFAとなった呉昇桓投手が救援19位&全体57位、元ヤクルトでレンジャーズからFAとなったトニー・バーネット投手が救援36位&全体108位。メジャー復帰の可能性がある巨人のマイルス・マイコラス投手は先発16位&全体69位で「日本での3年間での先発投手としての成功もあり、複数年契約を獲得するであろう」とされている。

 NPB経験者が多い今オフのFA市場。全体1位の高評価を得た大谷を筆頭に、動向から目が離せない。

(上岡真里江 / Marie Kamioka)

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