豊田通商系の「エネ・ビジョン」、愛媛県で木質バイオマス発電が初竣工

 豊田通商のグループ会社であるエネ・ビジョンがSPC(特別目的会社)として設立した「えひめ森林発電」の木質バイオマス発電所・松山バイオマス発電所が、今月竣工した。来年1月に営業運転を開始する。

 バイオマス発電は、これまで未使用または廃棄されていた資源をエネルギー源として発電するもの。木質バイオマス発電はこのうち、森林保全・整備のために行う間伐や伐期を迎えた樹木の伐採で発生する端材・切捨て間伐材を活用して電気エネルギーに変える。

竣工した木質バイオマス発電所

 木質バイオマス発電は、風力発電などと異なり天候に左右されにくい安定電源であることや、地域への経済波及効果がみこめることなどが特徴。

 今回営業運転を開始した松山バイオマス発電所は、木質バイオマスのみを燃料をとしてタービンで発電。12・5メガワットの電力を生み出す。

 使用する燃料は、主燃料として愛媛県内の間伐材や林地残材を中心とした未利用材を燃えやすくチップ化したものを使用し、一部は輸入材のPKS(パームヤシ殻)を混焼する。

 愛媛県は、県面積の7割・約40万1千ヘクタールを森林。このため、同発電所の稼働により林業やチップ加工などの分野で産業の活性化が図れるほか、新たな地域雇用を生み出すなどの効果も見込める。

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