年末調整の住宅借入金等特別控除申告書の簡単な書き方

住宅ローン減税を受けるのに、2年目からは年末調整で申請します。「住宅借入金等特別控除申告書」を記入して提出するのですが、その書き方をご紹介します。手元に金融機関から送られてきた「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」と1年目に提出した確定申告の計算明細書を手元に記入していきましょう。

住宅ローン減税申請、2年目からは年末調整で(給与所得者の場合)

住宅ローンを借り入れてマイホームを取得した時に、所得税(一部は住民税も)が減税される住宅ローン減税。年末の借入残高の1%の金額が税額からひかれるこの制度です。この住宅ローン減税の適用を受けるためには、初年度は確定申告をしますが、会社員や公務員の場合は2年目からは年末調整で申請を行うことができます。この、年末調整での申告方法をご紹介します。

「住宅借入金等特別控除申告書」:2年目10月に送付

税務署から送られてくる「住宅借入金等特別控除申告書」の見本(国税庁HPより筆者編集)

住宅ローン減税の申請1年目は確定申告をします。そのデータを元に、その年の10月ごろに国税庁より「住宅借入金等特別控除申告書」が送られてきます。例えば、平成28年中にマイホーム購入、住宅ローン契約をした場合、平成28年分の確定申告を平成29年2月から3月に行います。すると、平成29年10月に国税庁から「住宅借入金等特別控除申告書」が送られてくるというわけです。

この「住宅借入金等特別控除申告書」は、住宅ローン減税が受けられる年ごとに作成されています。ローン減税は10年受けられるので(平成21年以降の場合)、2年目から10年目の9枚の申告書が送られているはずです。この申告書を年末調整時に提出すれば、住宅ローン減税が受けられるということですね。

この申告書ですが、下は「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」として、税務署の証明書となっています。切り取らずにそのまま申告書として提出します。

金融機関から送られる「年末残高等証明書」を元に記入

「住宅借入金等特別控除申告書」の記入方法をみてみましょう。

住所・氏名等

お住まい管轄の税務署長あてとし、会社の名前、住所、ご自身の名前、住所を記入します。

平成26年入居以降の申請書にはマイナンバー(個人番号)の記入欄がありますが、記載する必要はありません。

ローン残高

金融機関からその年の10月ごろに送られてくる「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を手元に用意しましょう。その「住宅借入金等の金額 年末残高予定額」の金額を(1)の(C)欄に記入します。2個所以上からお金を借りている場合は、合算して記入します。

※連帯債務の場合(夫婦共に借入ている等)は、ご自身の債務分だけを記入。詳しくは こちら→ 連帯債務の場合

取得額

マイホーム取得額を(2)に記入します。取得額は、下の証明書(ロ)(ホ)欄に書かれています。これを転記します。合計額も(C)欄に記入します。

住居割合

住宅ローン減税はマイホームへの適用です。店舗等に適用されている部分は除かれます。住居割合を下の証明書(ニ)(ハ)(ト)(ヘ)から転記し割合を出します。住居のみの場合は100%ですね。(C)欄にも記入します。

対象ローン残高

(4)には対象ローン残高として、(1)と(2)の(C)欄の少ないほうを、(5)には(4)に(3)の割合をかけたものを記入します。住居のみの場合は(5)は(4)と同じ金額になります。

増改築等の借入金

増改築のためのローンは、(1)から(5)と同様に(6)から(10)に記入します。

対象借入残高

(11)に(5)の金額を記入します。増改築もした場合は(10)の金額も足します。

年間所得の見積額

イ)にその年の1月1日から12月31日までの合計所得金額の見積額を記入します。給与収入場合だけの場合は、年収見込み額から給与所得控除 を引いた金額となります。

連帯債務の場合

連帯債務の場合は、1年目の確定申告の時に作成した計算明細書に記入した「負担割合」から計算して記入します。

■ウ)にローン残高全額を記入(金融機関から送られた年末残高等証明書の金額)

■(1)のC)欄には、全体残高に負担割合をかけたものを記入(50%の場合はウ)欄の半額)

■エ)備考欄に、他の連帯債務者から「私は連帯債務者として、右上の住宅借入金等の残高○○○円のうち、○○○円を負担することとしています。」等の文言、住所、氏名の記入と押印を受けてください。その方が給与所得者である場合は、その勤務先の所在地及び名称も併せて記入します。

控除額

(14)に実際の控除額を記入します。(11)×1%で、100円未満は切り捨てとします。

住宅借入金等特別控除申告書、なくした場合は再発行を

「住宅借入金等特別控除申告書」を紛失した場合は税務署で再発行してもらえます。早めに申請をしておくといいですね。完成した申告書は、金融機関から送られた「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を添付して年末調整書類とともに会社に提出しましょう。この手続きは控除を受けられる間は毎年行う必要があります。申告し忘れのないように注意しましょう。

(文:福一 由紀)

© 株式会社オールアバウト