愛知製鋼の「鋼材生産プロセス改革」第3弾、精整ライン工事が完了 モノづくり力の基盤強化

 愛知製鋼(社長・藤岡高広氏)は15日、特殊鋼鋼材の生産性・品質向上を目的とした「鋼材4Sリエンジ」の第3弾(精整リエンジ)の目玉である精整ライン(Aライン)の新設工事が完了した、と発表した。投資金額は今回のリエンジ合計で約35億円。これにより製鋼、分塊に次ぐ生産プロセス改革が進ちょくした。同日、藤岡社長などが出席して竣工式を行い、本稼働した。精整リエンジの完了により、半製品の平均滞留日数を半減し、出荷リードタイムが短縮。生産性は約1割向上した。また、検査精度向上による品質のレベルアップを図る。

 精整リエンジは、既に実施した製鋼工程の大断面連続鋳造機更新(パート1)、分塊圧延工程のリエンジニアリング(パート2)に続くもの。鋼材の外観検査や内部検査を行う最終工程となる精整工程は、ユーザーが要求する品質に大きく関わる重要工程。

 

 第3弾の主な工事内容は、まず前工程となる圧延工程からの物流を直結する鋼材水冷設備(連続式鋼材水冷装置。生産性=毎時108トン)を新設。圧延された鋼材を短時間で冷やすことで、工程間の物流を改善。

 同時に、精整工程の一層の生産性向上のため精整Aライン(製造サイズ=直径20~60ミリ、生産性=毎時25トン)を新設した。圧延・精整工程間にある半製品の平均滞留日数を半減して出荷リードタイムを短縮するとともに、検査精度向上による品質のレベルアップを図る。

 これにより精整工程は5ライン体制となり、サイズ構成・生産量変化への対応力が向上。緊急時の代替生産にも柔軟に対応できる体制となる。圧延・精整間を直結化した生産ラインは業界初。

 高品質の表面キズ検査投資、内質検査装置を導入することで、品質保証精度をアップする。

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