安売り競争から利益確保に苦戦、熊本のガソリンスタンド経営(有)柏尾商店が破産申請へ

 (有)柏尾商店(TSR企業コード:910173923、法人番号:7330002002145、熊本市北区鶴羽田1-14-8、設立昭和48年10月、資本金300万円、柏尾正光社長)と、関連の菊陽商事(有)(TSR企業コード:910016690、法人番号:7330002012301、同所、設立昭和52年4月、資本金300万円、同社長)は11月1日、事業を停止し、破産手続きを林修英弁護士(京町法律事務所、同市中央区京町2-14-25、電話096-324-3255)に一任した。
 負債総額は2社合計で約2億円。

 柏尾商店は、ガソリンスタンドを複数経営していた。立て看板に小売価格を表示する無印安売り店の先駆けとして販売実績を伸ばし、ピーク時の平成8年9月期には熊本市近郊に6店舗を構え、18億3110万円の売上高をあげていた。
 しかし、過度の安売り競争から利益確保に苦戦し、長期にわたり薄利推移が続いていた。この間、赤字店舗を閉鎖するなど経営合理化を進めていたが、最後まで営業していた本社店舗周辺も激戦区で、先行きの見通しも立たないことから、事業継続を断念した。
 菊陽商事は、立田給油所を経営し、過去には高濃度アルコール燃料の販売も手掛けていた。しかし、製品の販売停止により15年に撤退。過当競争で本業のガソリンスタンド経営が低迷するなか、柏尾商店に連鎖した。

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