ベトナムと定期便開設を

 ベトナムを8~13日の日程で訪問した中村法道知事は16日の定例会見で帰国報告。友好交流関係にあるクァンナム省と産業分野の人材交流について意見を交わし、ベトナム航空に長崎-ベトナムの国際定期航空路線の開設を求めたことを示した。

 知事や県国際課によると、同省幹部は本県からの企業進出を、知事はベトナムの若者が労働力不足の本県農業を担うことをそれぞれ望んだ。航路開設要請に対し、同航空は既存のベトナム-福岡間の拡充を検討中で、需要が高まれば周辺空港の活用も考えると回答した。知事は会見で「本県の観光資源関連情報の発信に力を注ぎ、将来的な定期航空路線の開設に結び付けたい」と述べた。

 一方、県議会は現地の議会に当たる同省人民評議会と交流促進に関する協議録に署名。県議会がこうした署名を外国議会と取り交わすのは初めてで、年度内にも交流事業を始める方向で調整する。訪問した八江利春議長は取材に「他県に先駆けて人材交流を後押ししたい」と話した。

 知事は本県とベトナムの交流を象徴する「御朱印船」のレプリカ寄贈も報告。これを展示した「日越文化スペース」のオープニングセレモニーには、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ滞在していた安倍晋三首相も出席した。

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