2015年からリヴァプールを率いているユルゲン・クロップ監督。
ここでは、『squawka』による「クロップのもとで成長したリヴァプールの6選手」を見てみよう。
MF:アダム・ララーナ
ブランダン・ロジャーズがリヴァプールを去る間際のララーナは元気がなかったが、クロップのもとでは“ビースト”へと変貌した。
これまで指導したなかで最も戦術的に優れている選手のひとりだとドイツ指揮官が讃えるほどだ。
事実、数字はウソをつかない。
ララーナはクロップの4-3-3システムにおける深い位置のMFとしてプレーしており、1試合平均1.1回のタックル、0.65回のインターセプションを決めるなど、チームのプレッシングを牽引しているのだ。
創造性という点でも、昨季は31試合で42度ものチャンスを演出。また、33度のドリブル突破を成功させており、クロップの“マシーン”における不可欠な存在としての地位を確立した。
選手は欠場によって、そのステータスが増すとも言われる。今季のララーナはハムストリングの故障で長期離脱となっているが、その株は上がり続けている。
MF:フィリペ・コウチーニョ
彼がリヴァプールに加入して以降の3,4シーズンにおいて、我々はその爆発力を目にしてきた。だが、それは一瞬で消えてしまい、これまではコントロールすることができなかった。
コウチーニョの特殊性に疑問符が付けられたことない。ただ、このブラジル人プレーメイカーにより一貫性をもたせ、ずば抜けた存在へと成長させたのはクロップと言えるはずだ。
クロップ就任以前は112試合で17ゴールだったが、就任後は78試合で29ゴールを叩き出しているのだ。その成長によって――他に多くの要素もあるが――リヴァプールはトップ4入りを争えるようになった。
この夏にはバルセロナ移籍が強く噂され、本人も移籍願いを出したとされていたが、結局は残留することに。
(今後は)2つの道がありえる。コウチーニョはクロップのスカッドにおいて幻滅した脅威になるか、全てを忘れて不可欠なメンバーになり続けるかだ。
DF:ジョー・ゴメズ
クロップが就任する直前に前十字靭帯損傷の怪我を負ったゴメズ。ドイツ人指揮官を含め常に高い評価を受けてきた。
だが、この多機能的なDF(最終ラインならどこでもこなせる)が、果たしてリヴァプールのスタメンに割って入れるのかは疑問だった。ここまでで言えば、その答えは「Yes」だ。
今季は開幕9戦で6試合に先発し、右サイドバックとしてその全てにフル出場した。
20歳と若く、その成長が先天的なものなのか後天的なものかはまだ分からない。いずれにしても、若手を育てることに長けたクロップが重要な役割を果たしたのは間違いない。
DF:アルベルト・モレノ
どうやったら物事はうまくいくのかにおいて、面白い事例だ。
今季が始まるにあたり、モレノの将来がアンフィールドにあるとは思えなかった。昨季はMFであるジェームズ・ミルナーが左SBとして起用され、彼はポジションを失った。
だが、この地位降格にもかかわらず、モレノのスピリットは壊れていなかった。特にこの類の屈辱は退団につながりかねないにもかかわらずだ。
モレノはチャンスを待った。ハードワークを続けば、クロップが彼を戻すことを信じて。そして、今季それは起きた。昨季は出場12試合のうち先発はわずか2試合だったが、すでに9試合でスタメン起用されているのだ。
まだまだ完全なる変貌とは言えない。彼がパオロ・マルディーニの再来だと考えるものは誰一人としていないだろう。
とはいえ、もはやモレノはクロップのスカッドにおける“最悪の選手”ではない。当てになる存在だ。
彼がボールを持つ度にサポーターたちはかたずをのんでいたが、それは逆になった。今季ここまではどのチームメイトよりも多くのタックルを決めている。
FW:サディオ・マネ
2016年にリヴァプールに加入したマネ。アンフィールドでプレーすることに先立ち、レッドブル・ザルツブルク時代に彼を指導したオリヴァー・グラスナー監督はクロップにとって完璧な選手となるだろうと予告していた。
「マネはディフェンスでもチームのために尽くす。リヴァプールにとってそれは非常に重要だ。彼はザルツブルクでもそれをこなしていた。彼はそれをやりたがるんだよ。自分の利益になることを知っていて、それだからゴールもアシストもできるってね」。
この予言は当たった。マネはリヴァプールにとって欠くことのできない重要な存在になっただけでなく、その疲れを知らない勤勉さによってクロップのビジョンは実現可能となったのだ。
クロップのもとでは、195分に1度の割合でゴールを決めているほか、アシストも少なくない。
より重要なことは、彼の驚異的なスピードとボールスキルによって、相手陣がズタズタになることだ。特に相手のサイドバックは餌食になる。
このところはハムストリングに怪我を抱えているが、彼がいなかったスパーズ戦に惨敗したことによって、チームで最も重要な選手だということが浮き彫りになった。
FW:ロベルト・フィルミーノ
クロップが称賛されているもののひとつが、コンバートだ。
彼が好む“ハイオク”なフットボールを考えば、リヴァプールのファーストディフェンスになるためには、ゴールに最も近い相手選手(DFたち)にプレッシャーをかける必要がある。クロップが指揮したチームでは多くの選手たちがそれに応えてきた。
"偽9番”として起用されることが多かったフィルミーノは、その追加された責任(守備)を引き受けたFWのひとりだ。
彼はクロップのもとでの97試合で29ゴール&26アシストをマーク。ダブルで20超えを記録しているのはフィルミーノだけだ。
先月は苦しんだが、それでもクロップのもとでいかに彼が成長したかが分かるはず。