【アジアCS】アジア制覇の稲葉ジャパン、輝いたのは誰だ? 近藤健、西川が打率5割超え

その巧打者ぶりをいかんなく発揮した侍ジャパン・近藤健介【写真:Getty Images】

2試合連続先制打の西武・外崎が大会MVP

 野球日本代表「侍ジャパン」は19日、「ENEOS アジアプロ野球チャンピオンシップ」の決勝で韓国と対戦。2ケタ11安打を放つ攻撃を浴びせかけて7-0と宿敵を圧倒して快勝した。侍ジャパンの新たな指揮官へと就任した稲葉篤紀新監督の初陣で、見事にアジア制覇を成し遂げた。

 初戦の韓国戦は延長10回タイブレークにもつれ込む激戦の末に、3点ビハインドをひっくり返しての劇的なサヨナラ勝ちを収めた稲葉ジャパン。第2戦のチャイニーズ・タイペイ戦では先発のDeNA・今永の好投などもあり、投打で相手を圧倒して快勝した。勢いに乗って臨んだ決勝も先発の巨人・田口が7回無失点の好投を見せるなど、宿敵を圧倒した。

 3連勝でアジアの頂点へと駆け上がった稲葉ジャパン。U-24世代が中心となった戦った「ENEOS アジアプロ野球チャンピオンシップ」で、若き侍の中でも、特に輝きを放ったのは、どの選手だったのか。大会の成績から振り返ってみたい。

◯西武・外崎修汰
 大会MVPに輝いた1992年12月20日生まれの24歳。青森の実家はりんご農家を営む。青森県立弘前実業高から富士大を経て、2014年のドラフト3位で西武へ。3年目の今季打撃が開花し、135試合438打数113安打10本塁打48打点、打率.258をマーク。今大会は初戦は1安打だったが、チャイニーズ・タイペイ戦で2回に先制ソロを放つなど、3安打2打点。決勝の韓国戦でも4回に、2戦連続の先制打となる適時打を放ち、5回にもタイムリー。3試合で13打数6安打1本塁打4打点と活躍した。

シーズン4割超えの近藤健は曲芸打ち、西川は特大弾

◯日本ハム・近藤健介
 1993年8月9日生まれの24歳。神奈川の名門・横浜高から2011年のドラフト4位で日本ハムに入団。元々は捕手ながら、打力を買われて内外野、指名打者で起用される。2015年に.326の高打率をマークすると、今季は椎間板ヘルニアでの離脱があったが、57試合231打席に立ちながら、打率4割超を記録した。今大会もその打力は健在で、初戦の韓国戦で4打数3安打。チャイニーズ・タイペイ戦は2安打、決勝の韓国戦も2安打と3戦全てでマルチ安打と打ちまくった。低めのボール球を安打にするなど“曲芸打ち”も披露し、3試合で12打数7安打、打率.583をマークした。大会ベストナインにDH部門で選ばれた。

◯広島・西川龍馬
 1994年12月10日生まれの22歳。敦賀気比高から社会人の王子を経て、2015年のドラフト5位で広島に入団した。1年目の2016年から62試合に出場すると、今季は出場機会を大きく増やした。95試合に出場して204打数56安打5本塁打27打点、打率.275を記録した。今大会も3試合全てにスタメンで出場すると、初戦の韓国戦で2安打。チャイニーズ・タイペイ戦でも3打数2安打と結果を残すと、決勝の韓国戦では右翼席上段へと飛び込むソロ本塁打を放つなど4打数3安打1本塁打3打点の大暴れ。11打数7安打1本塁打3打点で、チームトップの打率.636を記録し、大会ベストナインに選出された。

◯DeNA・今永昇太
 1993年9月1日生まれの24歳。福岡県立北筑高から駒澤大を経て、2015年のドラフト1位でDeNAへ。1年目からローテに入り、2年目の今季は11勝をマークした。日本シリーズでの圧巻の好投は記憶に新しいところ。今大会は第2戦のチャイニーズ・タイペイ戦で先発し、4回まで12個のアウトのうち11個を三振で奪う。6回までわずか3安打、12個の三振を奪う圧巻の投球を披露し、勝利投手となった。

◯巨人・田口麗斗
 1995年9月14日生まれの22歳。2013年のドラフト3位で広島新庄高から巨人に入団。2年目の2015年に12試合に先発すると、2016年から先発ローテに入り、自身初の2ケタ10勝をマークした。今季は26試合に先発して13勝4敗の好成績をあげた。今大会は決勝の韓国戦に先発し、7回3安打6奪三振無失点と好投。投手部門で大会ベストナインに輝いた。

 この5人以外にも、打率4割をマークした日本ハム・松本剛やリリーフで好投した阪神・石崎剛、DeNA・山崎康晃らも持ち味を存分に発揮した。今回はU-24世代がほとんどとなった侍ジャパン。ここから“フル代表”に名を連ねる選手が、どれだけ出てくるだろうか。

(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2