おとちゃん、よろしく PRへ着ぐるみお披露目

 二宮町の吾妻山にいわれのある弟橘媛命(おとたちばなひめのみこと)をモチーフにしたキャラクター「おとちゃん」をPRに活用している二宮町商工会(田邊邦良会長)がその着ぐるみを作製し、19日のイベントでお披露目した。

 「日本書紀」などにも記されている弟橘媛命は日本(やまと)武尊(たけるのみこと)の妻。海を渡ろうとして暴風に遭った夫を救うため海に身を投じたと伝えられている。吾妻山には、その後に流れ着いた櫛(くし)や袖の一部が祭られているとされる。

 この伝説を基にして、同商工会はキャラクターを開発。町内の漁場で取れたサバのすり身を用いたご当地ハンバーガーに「おとちゃん」の名を冠して2014年に開発するなど、さまざまな場面で活用している。

 「おとちゃん」のさらなる展開を試みようと、同商工会の杉本勝子女性部長(73)ら約10人が着ぐるみを作製。約1カ月をかけて全て手作業で仕上げた。外注すれば100万円単位とされる製作費をカバーするため、本業の傍ら連携して十二単(ひとえ)などを縫い上げたという。

 町内の名産などを集めてこの日開催された「湘南にのみやふるさとまつり」で初登場。会場は和装の愛らしい姿に華やいだ雰囲気となり、記念撮影を求める親子連れらでにぎわった。

 「吾妻山の物語と魚食の象徴になってくれたら」と期待を寄せる杉本さん。今後も町内のイベントなどで登場するという。

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