秋の対馬路を自転車で縦断

 国境の島、対馬の南北約100キロを自転車で縦断する自転車イベント「国境サイクリングIN対馬」(実行委主催、長崎新聞社など後援)が19日、対馬市内で初めて開かれ、日韓の計約50人のサイクリング愛好家が晩秋の対馬路を駆け抜けた。

 対馬は起伏に富んだ地形で、山海の絶景が楽しめる。今回は順位を競わず、市内全6町を通って各地の景観や地元グルメを楽しんでもらい、今後の誘客イベントの参考にすることを目的としている。

 参加者は午前8時に比田勝港国内ターミナル前(上対馬町)を地元和太鼓グループの演奏でスタート。21キロ地点にあるもみじ街道林間広場(同町)では「かすまき」、52キロ地点の峰町歴史民俗資料館(峰町)では「とんちゃん丼」、80キロ地点の対馬万関憩いの広場(美津島町)では「佐賀(さか)のたいやき」の振る舞いを受け、ゴールの「金石城跡の櫓(やぐら)門」(厳原町)に午後1時ごろから順次到着した。

 1番目に到着した福岡県の公務員、大池助彦さん(51)は「もみじの紅葉が美しかった。コースはタフで苦しんだが、達成感を味わえた」と笑顔。韓国・ソウル市から参加した会社員、許永禄(ホヨンロク)さん(43)は「地元の人の応援がうれしかった。レースではないので、風景撮影も楽しめた」と話した。

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