アレリスの自動車用アルミパネル、米の新設2ライン稼働

 アルミ圧延大手の米アレリス(本社・オハイオ州クリーブランド)は16日、ルイスポート工場(米国ケンタッキー州)で建設を進めていた自動車用アルミパネル製造ラインが完成したと発表した。これまでベルギー・デュッフェル工場にて自動車パネル材を生産してきた同社だが、新設備の稼働によって北米自動車メーカーからの現地調達ニーズに応えることが可能になる。今月から顧客への出荷を開始しており、早期の量産化とシェア拡大を目指していく。

 14年からの3年間で、総額4億ドル(約450億円)を投じた大型投資が完了した。ルイスポート工場に自動車パネルの熱処理・表面処理ライン(CALP)2基を新設したほか、広幅コイルの生産が可能な最新鋭冷間圧延機を増強。デトロイトの研究施設などの機能も拡充した。

 アレリスは欧州市場ですでに自動車パネル用アルミ板のシェアを獲得している。今回の設備稼働によって、米国市場に進出している欧州系自動車メーカーへ製品を提供していく考え。

 北米の自動車用アルミパネル市場は自動車軽量化ニーズを背景に拡大中。15年に約50万トン規模だった市場が20年には100万トンを超すと見込まれている。同市場ではすでに米アーコニック(旧アルコア)と米ノベリスが量産対応で先行し、UACJと蘭コンステリウムの合弁工場が16年秋に稼働を始めている。今回参入したアレリスだけでなく、新興企業ブレイディ・インダストリーズなどが工場建設を計画している。

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