最終SSでリタイアしたラトバラ「すべての経験で学ぶことがある」/WRC第13戦オーストラリア デイ3コメント

 WRC世界ラリー選手権は11月19日、第13戦オーストラリアのSS17〜21が行われ、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が優勝した。ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)は総合2番手走行中のSS21でクラッシュしている。

■Mスポーツ

●セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)/総合4位

「僕らにとって、スムーズなラリーとはいかなかった。だけど、少なくともパワーステージで勝利したことで、少しポジティブにフィニッシュできた。正直に言うと、すべてが僕らに都合よく働いたほぼ唯一のステージだった」

「今週末は取り組むことがたくさんあった。テクニカルトラブルや、オープニングステージでの僕らの走行順もね。僕らはただ集中力を保つことにしたら、最後に戦略が機能した。総合4位は本当に予想していなかったよ」

「今週末にかかわらず、本当に最高のシーズンだった。マルコムとチーム全員には深く感謝している。今年僕らがともに成し遂げたことは、本当に素晴らしい結果だ」

●オット・タナク(フォード・フィエスタWRC)/総合2位

オット・タナク(フォード・フィエスタWRC)

「こういった形(2位表彰台)で今シーズンを終えることと、Mスポーツのファミリーと僕らの時間をポジティブな形で終えることが重要だった」

「金曜日、僕らはペースに少し苦労していて、リヤディフューザーを失ったことでバランスが取れなかった。だけど、その後はいいペースで走ることができて、表彰台圏内に達する速さを維持できた」

「正直に言えば、最後のロードセクションで(コドライバーの)マルティン(ヤルベオヤ)が泣ける曲をかけるまで、これが(チーム代表の)マルコム(ウィルソン)やチームと戦う最後のラリーになるという事実について、深く考えないようにしてきたんだ」

「これまで本当に長い間、ともに旅をしてきたから、ファミリーから離れることは決して容易ではない。実際、すごく辛いよ」

「だけど、このチャンピオンシップ全体もファミリーのようなものだから、別れではない。また今度会おう、といった感じかな」

●エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)/総合5位

エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)

「今週末、苦労することは分かっていたけど、今日の雨でソフトタイヤを使う機会に恵まれた。確実に、より楽しい1日になったし、ステージ優勝できてよかったよ。その後、不運にも、いくつか小さなトラブルに遭遇したけど、おおかた週末の終わり方としては悪くなかった」

「今シーズンは総じてチームにとって最高だった。僕らは今年素晴らしいメンバーと仕事ができた。彼らは、本当にこの成功に値するよ。全員に感謝している」

■ヒュンダイ/ヒュンダイ・モータースポーツ

●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)/総合優勝

ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)

「これは本当に特別な勝利だ。チーム全員にこの勝利を捧げるよ。彼らはシーズン全体にわたって熱心に仕事をしてくれた。つねに簡単なことではないが、彼らは決して諦めなかった」

「ラリーの現場だけでなくファクトリーも含めた全員の素晴らしい仕事ぶりに、大きな感謝を伝えたい。タイトルは逃したけれど、今日、ランキング2位を手にしたことは、来シーズンに向けた大きなモチベーションになる」

ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)

「最終日の午前中はトリッキーで、あまり多くのリスクを冒すことはしたくなかった。今年4度目の優勝を飾れたことは素晴らしい。本当に、理想的なシーズンの締めくくりだ」

「来シーズンへ意識を向ける前に、今はこの瞬間を楽しみたい」

●ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC)/総合3位

「今年は僕にとって難しいシーズンだった。少なくとも、より良い結果でシーズンの終わりを迎えることはできた。誰かの不運のおかげで表彰台を獲得するようなことは決してしたくはないし、ヤリ-マティ(ラトバラ)には気の毒だけど、厳しい年を過ごした僕たちにはいい結果になった」

「マシンの感触を掴んだという点からすれば、暗いトンネルの終わりに光が見えたといった形だね。今週末はいくつか答えを見つけることができた。それが大きな目的だったんだ。午前中天気には恵まれた。(SS18の)ブッカでの最悪の雨は避けることができたようだし、ステージ優勝をかざることができた」

「夜の間にデフマッピングを大きく変更したら、全体的にマシンの感触は良くなった。将来のために情報を集めたし、総合3位でラリーを完走し、今シーズン2度目の表彰台に登ることができたんだ」

●アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)/総合13位

「土曜の午前中に首位からリタイアしなければならなかったことには、がっかりした。そうは言っても、今日の午前中に僕たちが直面したコンディションを見たら、たとえ首位にいたとしてもその座を守るのは大変なことだっただろう」

「序盤のステージでは運の悪いことに雨に降られてしまった。ワイパーを最大限に稼働させても、何も見えなかった。それでも、パワーステージは着実に終えて無事完走することができた」

「今週末の結果はどうであれ、僕たちは良いペースを見せることができた。ヒュンダイ・モータースポーツからの過去3ラウンドはとても貴重な経験になった。来年に向け正しい場所に自分がいるとわかっている。マシンは素晴らしいし、チームは最高だ。来年、一緒にチャンピオンシップに力強く挑めるよう願っているよ」

■シトロエン/シトロエン・レーシング

●クリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)/総合7位

「今日は2018年シーズンに向けた準備が目的だった。その点から言うと、雨が降ってきたのでとても実りが多かった。改善の余地が多くあるコンディションのもとで作業ができたからね」

「(リザルト面で)なにも得られないのにプッシュしていくのは僕にとって簡単なことではなかったけど、午前中に僕たちが学んだことは、間違いなく将来の役に立つよ」

●クレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)/リタイア

クレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)

「大きなクラッシュになってしまった。こんなことは長いこと経験してこなかったよ。幸い、C3 WRCは壊れにくいマシンで安全対策もしっかりと機能してくれた」

「総合4位でフィニッシュできるのか確かではなかったし、僕たちより路面のコンディションが多少良かった(ヘイデン・)パッドンに反撃するにはプッシュする必要があることは分かっていた。ただ、戦わずにまた5位を手にしてシーズンを終えることだけはしたくなかったんだ」

●ステファン・ルフェーブル(シトロエンC3 WRC)/リタイア

クラッシュでマシンにダメージを負ったステファン・ルフェーブル(シトロエンC3 WRC)

「シーズンを締めくくるのに最高のやり方ではないね。最初のステージ(SS17)の長い右コーナーでミスしてしまったんだ。コンディションは酷いものだった。水たまりが多く、そのせいで氷のように滑りやすい場所があった。滑りやすいぬかるみに足を取られたんだ」

「マシンはアンダーステアになって、少し大回りし、大きな木の切り株にぶつかってしまった。残念だし、チームのみんなにも申し訳なく思う」

■トヨタ/TOYOTA GAZOO Racing WRT

●ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)/リタイア

「もちろん、このような形でシーズンを終えたくはなかったが、これもまたラリーというスポーツだ。今は前向きな気持ちになれなくても、すべての経験から学べることはあり、決して無意味ではないと思う」

ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)

「パワーステージ(SS21)ではチャンスを求めて全力でアタックしたが、全開で走ればこのようなことも起こり得る。リタイアする前まではいい戦いができていたし、今朝も序盤は1位との差を縮めることができた」

「しかし、結果を残すことができずチームに対して申し訳ない気持ちでいっぱいだよ。今年、チームは自分の予想を大きく超える素晴らしい体制を整えてくれた。心から感謝している」

●エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)/総合6位

エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)

「大変な1日だった。午前中、突然大雨が降りあちらこちらに水溜まりができた。昨日に引き続き今日も1番最初にSSをスタートしたけど、水溜まりでクルマはまるで船のように動き、まったくコントロールが効かない状態だったよ」

「それでも、何とか最後まで走りきることができてほっとしている。そして、昨日我慢してソフトタイヤを今日のために数本とっておいたこともあり、それにも助けられていい走りができたと思う」

エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)

「今回の収穫は、このラリーでの経験を充分に積み、どのようにドライブしたら良いのか分かったこと。シーズンを振り返るとスピード自体は充分にあったと思うけど、ややアップダウンが大きく、それが自分の課題であると理解している。来シーズンの開幕を心待ちにしているよ」

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