国交省、「神鋼・大安の検査システム」適正と判断 再発防止策では改善要求

 神戸製鋼所の品質データ改ざん問題で国土交通省は17日、先月実施した大安製造所(三重県いなべ市)への立ち入り検査の結果、すでに検査データの不正書き換えが不可能なシステムが構築されていることを確認したと発表した。新たに大きな不適切事案は確認されなかった一方で、再発防止策の具体化など五つの項目でさらなる改善要求を通知した。

 国交省は〝原因と再発防止策の検討状況〟を確認したところ(1)本社からの圧力など根本的な問題に対する具体的な再発防止策の策定(2)品質管理の社内規定の明確化(3)品質管理部門の管理者の教育制度の強化―が必要だと明らかにした。また〝自主確認作業〟でも、「使用しているデータシートに一部誤記があるなど正確性に疑義がある」と指摘し、再確認や自主確認体制の強化を促した。また試験分析室において、規定に従った管理が実施されていないものもあるとし、社内規定の管理徹底を要求した。

 国交省は三菱航空機の国産ジェット機「MRJ」に採用されているアルミ鋳鍛造品の安全性を確認するため、先月23~25日に6人体制で立ち入り検査を実施していた。

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