NEDOと古河電工、新「熱電変換素子」開発 小さな炎で発電可能

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と古河電工は17日、新型の熱電変換素子を開発したと発表した。素子ではろうそくのような小さな炎で発電が可能。現在運輸や産業などの分野では一次エネルギーの半分以上が排熱になっている。今回の成果はその活用に向けた技術開発プロジェクトの中で得られた。今後は工業炉や自動車エンジンの排熱などで未使用となっている200~800度の中高温領域の熱エネルギーの活用を目指す。

 中高温領域の熱電変換素子は希少なほか、低融点で空気中での使用に工夫が必要な元素で構成されるものがほとんどだった。今回開発した新型の熱電変換素子は希少性の少ないシリコンを主原料としているほか、高温耐性が得られている。素子をろうそくなどの炎にかざすと50ミリボルトの電圧が得られる。実験では8個の素子を用いて小型モータを回転させることに成功している。

 今後は災害時などに役立つコンロに取り付ける小型発電システムとして提案するほか、自動車や産業分野での応用に期待している。20日から東京ビッグサイトで開幕するインケム・トウキョウ2017で紹介する予定。

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