「日本で最も美しい村」をあなたは知っていますか?
日本全国の農山漁村の景観や文化の魅力をアピールしようと、全国63の自治体が加盟する「日本で最も美しい村」連合の初めての大型フォーラムが東京・九段南のイタリア文化会館で開かれ、約350人が出席しました。
この連合は2005年に設立。パッチワークの丘などが有名な北海道の美瑛町などが加盟しており、「世界で最も美しい村連合会」にも加盟しています。
同連合のフォトコンテスト受賞作品から、美しい村の一部を紹介します。(写真はいずれも連合提供)
京都府伊根町 古くから漁業で栄えた町で、伊根浦舟屋群は、重要伝統的建築物群保存地区に指定されています。まるで海に浮かぶように見え、独特の風情があります。
岐阜県下呂市馬瀬 鮎の釣り場として有名な馬瀬川で知られます。淵や瀬、巨岩など変化に富んだ地形が魅力的です。周辺の山並みや農地、馬瀬川がつくる景観はまさに日本の原風景です。
京都府和束町 山の斜面を切り開いた茶畑で知られます。茶農家の集落の人々の日々の営みも、訪れた人々に原風景を感じさせてくれます。
長野県原村 八ヶ岳高原の麓に広がる村。夏は落ち着いた避暑地として、都会からも移住者が年々増えている人気のエリアです。ナマコ壁の土蔵を彩る漆喰を用いて作られる伝統的な装飾「鏝絵」など伝統文化も息づく村です。
この日のフォーラムでは、世界中の美しい村を撮影している写真家の吉村和敏さん、「日本で最も美しい村」すべて(2015年時点)を巡り、現在はまちづくりコンサルタントなどを務めている菊地マリエさんらが「小さな町だからこそ…」をテーマにトーク。日本の村の魅力について語り合いました。
ベルギーやフランスなど世界中の美しい村を撮り歩いてきた吉村さんは「海外の美しい村には、それぞれの村独自の景観があるけど、残念ながら日本にはあまりない。ただ、感動させるような自然があるのは、日本の美しい村なんです。日本人は自然が好きですね」と評価。菊地さんも「日本中の村を歩いて感じたのは、村の人たちの温かさ。旅行者が村人に会えるような仕組み、宿やカフェが重要ですね」と話しました。
連合の嵯城和彦事務局長は「フォーラムをきっかけに、美しい村を知っていただき、若い人にも日本の町や村に興味を持ってもらいたい」と話しています。
観光地や有名店もよいですが、こんな美しい風景にも出会う旅も素敵ですね。