新戦力

 難敵が待ち受ける来季に向け、心強いニュースが舞い込んできた。サッカーのJ1リーグに昇格する本県のV・ファーレン長崎▲J1のFC東京で長く活躍する徳永悠平選手(34)=雲仙市出身=がV長崎に移籍する意向を固めたと報じられた。国見高時代には全国大会の連覇を主力として経験、五輪にも2度出場した▲本県出身の有力選手が「長崎のために」と考えてくれるのならとてもうれしい。しかし、一方で、他県の出身者がプレーを通じて地域に溶け込み「長崎人」として戦ってくれたことへの感謝も忘れてはなるまい▲V長崎は毎年、大勢の「新戦力」を迎えながらJ1への歩みを刻んできた。選手の入れ替わりは、絶えず補強を必要とするクラブ側の事情と、より大きな舞台や高待遇、多くの出場機会などを求める選手側の事情が相互に作用してのことだ▲新戦力を巡るニュースは今後も続くだろう。過度に感傷的になるのは禁物だ。ただ、悲願のJ1切符を勝ち取ってくれた選手たちと来季も戦いたいと考えるのは、自然なサポーター心理でもある▲さて、どう考えたらいいのだろうか-と原稿を結びかけて、それもこれも今年の大躍進あっての「幸せな悩み」と改めて気づく。チームは敵地での最終戦も快勝、有終の美で2017年を締めくくった。(智)

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