三菱マテが米の産学官連携研究機関に参画 超硬製品のプレゼンス向上狙う

 三菱マテリアルは20日、金属加工に関する最新の研究開発・教育を行う米国オレゴン州の産学官連携研究機関「OMIC・R&D」に参画すると発表した。同機関におけるさまざまな研究に供する切削工具や、その使用条件をはじめとした金属加工品製造業にかかわる各種情報交換を通じて同地域の経済発展に貢献するとともに、超硬製品のグローバルプレーヤーとしてのプレゼンス向上につなげる考え。

 OMIC・R&D(オレゴン・マニュファクチャリング・イノベーション・センター・リサーチ・アンド・ディベロップメント)は、米国ボーイング社とパートナーシップ関係にある英国の産学連携機関、AMRC(ザ・ユニバーシティ・シェフィールド・アドバンスト・マニュファクチャリング・リサーチ・センター)をモデルとし、ボーイング社とオレゴン州の六つの民間企業および同州の三つの大学(オレゴン工科大学、オレゴン州立大学、ポートランド州立大学)の主導で今年6月に設立された。

 同研究機関は、長期的な競争力確保のために生産性向上とコスト削減に寄与する革新的なツール・技能・技術を求めるボーイング社が主導し、世界各地に設立している産学官連携研究機関の15拠点目に当たる。メーカー、高等教育機関、政府機関が連携し、オレゴン州における金属加工品製造業の競争力強化に協力して取り組むとともに、同産業に関する技能・技術のトレーニング・プログラムの提供によって同地域の次世代のエンジニアや研究者の育成にも取り組んでいる。

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