「50発」「広背筋」「ピョン吉」…楽天新入団10選手の売り、目標、要望は?

楽天・梨田監督と新入団選手たち【写真:高橋昌江】

楽天新入団10選手が語ったプロ入りへの思い

 楽天の新入団選手発表会見が22日、仙台市内のホテルで行われた。ドラフト1位・近藤弘樹投手(岡山商科大)ら10選手が意気込みなどを語った。

〇ドラフト1位・近藤弘樹投手(岡山商科大)

「楽天野球団の一員になったんだなという気持ちになっています」と心境を語った最速153キロ右腕・近藤は「僕のアピールポイントはまっすぐだと思う。普段はボーッとしていたり、ほのぼのした性格だと思っていますが、マウンドに立つと闘志むき出しで相手バッターをつぶすくらいの気持ちで投げています」とマウンド度胸満点だ。対戦したい打者を問われると、「同じパ・リーグで今年のドラフトの目玉であった清宮(幸太郎)選手と対戦したい」と、7球団が競合した高校通算111本塁打を放った清宮との対決を熱望。12番の背番号になり、「開幕1軍を目指して頑張っていきたいです。ローテーションに入って、背番号12を超える勝利を挙げられるように頑張っていきたいと思います」と2桁勝利を誓った。

〇ドラフト2位・岩見雅紀外野手(慶大)

 東京六大学リーグで歴代3位の21本塁打を放ち、リーグの年間本塁打記録を12本で更新。球団待望の和製大砲として期待される岩見は「僕のアピールポイントはバッティングとパワー。すべてのプレーにおいて全力で取り組みたいと思っている」と話す。米大リーグで歴代4位の通算696本塁打を放った、憧れのアレックス・ロドリゲス(元ヤンキース)と同じ背番号13をプロでも背負えることになった。「13番は大学時代から付けさせていただいているので、非常に感謝しています。また、ずっとA・ロッド選手が好きだと公言していますが、負けないくらい活躍できるように頑張っていきたい」と意気込んだ。「1軍キャンプに参加すること、開幕1軍に入ることと段階的に目標を立て、最終的に新人王を目指し、1つ、1つ頑張っていきたい」と、着実に目標に近づいていく。

〇ドラフト3位・山崎剛(国学院大)

 走攻守の三拍子が揃う山崎は「小さい頃からの夢であったプロ野球選手になれたことは嬉しく思います。スタートラインに立ったので、結果を残して這い上がってやっていきたい」と気を引き締めた。東都大学リーグで史上24人目の通算100安打を達成した好打者。背番号は「34」になり、「34番はメジャーリーガーのブライス・ハーパー選手がいますが、そういうタイプではないので、アルトゥーベ選手みたいになれるようにやっていきたいです」と話した。ファンからの呼び名を問われると、「(阪神の)西岡剛選手がツヨシという名前でいるので、後ろを伸ばして“ツヨシー”がいいです」と笑いを誘った。1軍キャンプ入りを目指すことも話し、「1年目から活躍できるようにやっていきたい」と力強く誓った。

〇ドラフト4位・渡邊佑樹投手(横浜商科大)

 最速144キロ左腕・渡邊は「楽しみな気持ちと不安な気持ちと両方ありますが、しっかりと1軍で活躍できるよう頑張っていきたいです」とスタートラインに立った。辛島、塩見に続くサウスポーとして期待される。背番号も左腕を象徴する「47」になり、「どこの球団も左のピッチャーが付けているというイメージがあるので、その自覚と責任を持って頑張っていきたいです」。対戦したい打者は富士学苑高時代に対戦しているという日本ハム・渡邉諒(東海大甲府)。「高校の時に打たれているので、抑えて勝ちたいです」とプロでのリベンジを誓った。日本ハム・渡邉は茨城県出身。山梨県出身者で唯一のプロ選手の渡邊は「開幕1軍、そしてローテーション入りを目指して頑張ってやっていきたいです」と抱負を語った。

5位・田中の売りは広背筋、「Tシャツを破ることが特技」

〇ドラフト5位・田中耀飛外野手(兵庫ブルーサンダーズ)

 ドラフト2位の岩見同様、長打力が魅力の田中は背番号50にちなみ、「シーズン50発打つという大きな目標を持って、これからのシーズンを戦っていきます」と豪快な目標を立てた。180センチ、96キロの体格で、「自分の特徴は広背筋が広いこと。広背筋を使って、Tシャツを破ることが特技です」とパワーをアピール。欲しいものを問われると、「サプリメントやプロテイン」と答えた。名前は「耀飛」と書いて、「あきと」と読む。「漢字が難しくて、よく間違われる。自分の漢字はとても好きなので、覚えていただきたい」と切望した。「キャンプで体づくりをして、開幕1軍を狙い、2桁ホームランを打つことが目標」。名前のごとく、プロの世界でかがやいて、大きく飛び立つ。

〇ドラフト6位・西巻賢二内野手(仙台育英高)

 体格は167センチ、68キロ。大柄な同期の選手たちとともにひな壇に並んだ西巻は「今、ここに座ってみて、本当にプロ野球選手になるんだなという実感が湧いてきました。しっかり自覚を持ってやっていきたいなという気持ちになっています」と意気込んだ。背番号67は仙台育英学園秀光中、仙台育英高の先輩でオリックスの佐藤世那と同じ。楽天ではかつて銀次も付けた番号で、「恥のないようにしっかり責任と自覚を持って頑張っていきたい」と気持ちを入れ直した。持ち味は高校トップレベルの守備力。「その中でも判断力やとっさの動きに注目していただきたい」とアピールした。楽天ジュニアから初のNPB入りした西巻は「1日でも早く1軍に上がれるようにまずは毎日の練習を頑張りたいなと思います」と話した。

〇ドラフト7位・寺岡寛治投手(石川ミリオンスターズ)

「ワクワクしています」と心を躍らせた寺岡。高校時代に右肘を故障。大学からは野手としてプレーしてきた。社会人野球の九州三菱自動車1年目に再び投手となり、大学を卒業して3年目の今年、BCリーグの石川ミリオンスターズで43試合に登板した。「僕のアピールポイントは毛の生えた心臓。自分よりも体の大きい選手のインコースをズバズバついていけたらと思っています」と気合十分だ。背番号は「56」に決定。「僕のイメージでは、漫画『MAJOR』の主人公・茂野吾郎が付けているイメージが強い。かなり芯の強い選手で、同じように心臓に毛が生えている選手だと思う。そのようなプレーができたら」。最速155キロ右腕として「福岡出身なので、福岡ソフトバンクホークスの柳田(悠岐)選手と対戦したい」と熱望した。

育成2位・松本に上岡スカウト「茂木になれる素材」

〇育成1位・井手亮太郎投手(九産大)

 185センチの長身ながら、右のサイドハンドで最速151キロを誇る。「育成からのスタートなので、1日でも早く、支配下登録されるように頑張りたい。自分はサイドスローから150キロを超えるストレートが一番の武器だと思っている」と話し、「それを生かして、相手に嫌がられるピッチャーになりたい」と意気込む。九州産業大・大久保哲也監督から「ピョン吉」と呼ばれていたことを明かし、ファンからの呼び名も「そのピョン吉が気に入っているので」と、継続をお願いした。福岡県出身だけに、「今までお世話になった方々に恩返しをできるように。小さい頃からずっとテレビやドームで見てきたので、地元のヤフオクドームで福岡ソフトバンクホークスの選手を相手に投げたい」と井手。そのためにも、支配下登録は必須。背番号132から2桁の背番号を目指す。

〇育成2位・松本京志郎内野手(光南高)

 担当の上岡良一スカウトが「茂木になれる素材」と太鼓判を押す松本は「育成からスタートなので、最初は(背番号が)3桁なのですが、しっかり結果を残し、いずれは1桁の番号を背負える選手になりたいと思っています」と柔らかい福島なまりで意気込んだ。高校通算31本塁打のパンチ力ある打撃が評価されており、松本本人も「自分の持ち味は打撃」とキッパリ。その上で、「自分でも走塁、守備、打撃おいてまだまだ伸びしろがあると思っている。プロに入ってからの成長ぶりを見てほしい」と話した。対戦したい投手に「同じチームの松井裕樹選手のスライダーを打席で体感してみたい」と珍回答もあったが、「自分のやるべきことをしっかりやり、いずれは楽天の中心選手になれるような活躍を残せるように1年目から頑張りたい」と気持ちを高ぶらせた。

〇育成3位・中村和希(天理大)

 大阪桐蔭高時代は1学年上が甲子園春夏連覇を達成。高校時代はベンチ入りが叶わず、天理大でもレギュラーをつかんだのは4年からだ。「育成選手という形ですが、チャンスをもらえたので、これを生かすことができるように頑張りたいです」。広角に打てる左の好打者で、「勝負所での打席には自信があります」と言い切る。背番号134番からのスタートだけに「目指すところは支配下登録、2桁番号なので、そこを目指して頑張りたいです。泥臭く、ひたむきにやっていく」と中村。プロ野球界には西武・中村、日本ハム・中田など高校の先輩が多くいるが、対戦したい投手には、1学年上の阪神・藤浪、オリックス・澤田の名前を挙げた。「1年目から支配下登録されるようにひたむきに練習をして、将来は楽天の中心選手になれるように頑張りたい」。

(Full-Count編集部)

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