めんどくさい「お風呂掃除」を時短にするコツ

お風呂掃除で意外と体力や気力を奪うのが「手足が濡れる」こと。気持ちの負担を軽減させる工夫をしていきましょう。

お風呂掃除を時短

お風呂掃除は、思いのほか体力を使う家事のひとつです。浴槽の中に身をかがめるといった、体の移動が多いことに加え、意外と体力や気力を奪うのが「手足が濡れる」こと。

手や足の裏には多くのつぼが密集しています。常日頃よく使っている部位ですが、普段と違う刺激にとても敏感な場所でもあるんです。手足が汚れる、濡れる家事は負担感も大きいため、億劫になりがち。時短することで、気持ちの負担感も軽減させる工夫をしていきましょう。

通常のお風呂掃除は入浴時にすませる

手足が「濡れる」「身をかがめる」ことがお風呂掃除のハードルとなっているのならば、それを逆手に取りましょう。

そう、濡れることも身をかがめることも苦にならない時間を、お風呂掃除の時間とすればよいのです。もうおわかりですね。はい、お風呂掃除に一番適しているのは、入浴中ということになります。

ここで、私が一番大事だと考える掃除の基本に立ち戻ってみましょう。これは、アメリカで掃除会社を経営するジェフ キャンベルさんの書いた「スピードクリーニング すばやいお掃除」(ソフトバンク文庫)にもある、こんな鉄則です。

“汚れていない場所は、掃除をしない“

汚れは、見つけたときにその場所だけ掃除をする。決して、全体を一度にやろうと思わない。汚れてもいない場所まで一度に掃除するのは、時間と資源の無駄。

お風呂は、この鉄則が特に当てはまる場所です。浴槽の掃除は、入浴ごとに行う必要がありますが、それ以外の床や壁については、汚れをみつけたら、そのときにその場所だけを掃除しましょう。これを繰り返していくことで、全体の清潔さは保たれていきます。

この「汚れをみつける」作業がしやすいのが、入浴時です。髪を洗うためにふとかがんだとき、からだを洗うために椅子に座っているとき、浴槽につかってぼんやりしているとき。目に留まった汚れがあったら、その場で落としてしまいましょう。

入浴時に使える掃除道具を配置しておこう

ただし、従来の掃除道具を使うことを想定すると、入浴中のながら掃除は到底やる気にならないはずです。入浴中に掃除をするためには、専用の道具を用意しておく必要があります。といっても、たった一つ。柄のついたブラシを1本、浴室に常備しておくだけです。

これは、時短家事の道具選びの三原則に合わせて選びましょう。

片手で使えて

手が汚れず

出しっぱなしにできるデザイン

これを道具配置の三原則でもある

よく使う場所から5歩以内  平行作業域に ワンプロセスで手に取れる 

に配置します。洗剤は特別なものを使う必要はありません。ボディソープやシャンプーがあれば十分です。髪の毛を洗ったときに出る泡を使って、リンスをしている間にブラシでちょこちょことこすっておけば、日常のたいていの汚れは落ちてしまいます。

足を濡らして掃除するのが億劫で、汚れを放置してしまうと、あとになってカビ取り剤などの強い洗剤を使うことになります。汚れは早いうちに、ささっと落としておきましょう。こうした習慣が、結果的に時短につながっていきます。

浴槽掃除はお風呂を出るときに

その都度の掃除が必要な浴槽は、出るときにお湯の境目だった場所をこすっておくだけでも、あとの掃除の手間が大きく違います。

ファイバークロスのスポンジやブラシ類を使えば、洗剤がなくても皮脂や水垢を落としますので、浴槽洗いにはこうした道具を用意して、すぐ使えるように浴室内に配置しておきましょう。ミトンが、私宅の浴槽用の掃除道具です。

水面近くをこする程度であれば、お風呂のお湯を洗濯に転用する家庭でも、お風呂ポンプのフィルターが水垢をろ過するので支障はありません。

掃除道具が浴室にあるのがいやだという人もいますが、デザインがよく清潔な道具を選べば、抵抗感も少なくてすみます。また、浴室専用の洗剤を使うのをやめ、無添加の液体石けんや、シャンプーやボディソープ類を転用することで、洗剤特有のにおいへの抵抗感も減ります。

浴用剤のかわりに、重曹をカップ1杯ほど入れて入浴をすると、保温効果があるばかりでなく、水垢が落ちやすくなる効果もあります。

(文:ももせ いづみ)

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