11月26日は「いい風呂の日」 正しいお風呂の入り方をマスターしよう!

お風呂が恋しい季節になりました

 11月26日は「いい風呂の日」。寒さも本格的になり、温かいお風呂が気持ちいい季節になりました。今回から4回にわたり、お風呂でのスキンケアについて紹介していきます。

 「お風呂」といっても、半身浴やじっくり湯船につかる、さっとシャワーで済ませる、好きな入浴剤を入れたり、便利なお風呂グッズを取り入れるなど、さまざまな楽しみ方があるのではないでしょか? 一般的に入浴には、肌を洗浄し清潔にするだけでなく、体を温めることで血行が促進されて肌の隅々に栄養が行き渡り、肌の代謝も良くなるなど、体にいい効果がたくさんあります。

 そのため、お風呂を活用する美容法・健康法として、1日に何度も入浴したり、何時間もお風呂の中で過ごすといった話を聞くことも少なくありません。しかし、これらの入浴方法は、本当に美容・健康のためになっているのでしょうか?

 温泉療法専門医で、入浴医学の第一人者である早坂信哉医師(東京都市大学教授)によると、意外にも「長湯や1日数回の入浴は、乾燥肌を招く」という事実や、お風呂といえば疲労回復のイメージもありますが「肉体的な疲労状態での入浴は、疲れをとれにくくする可能性がある」など、今まで当たり前だと思っていた入浴方法が、実は逆効果ということもあるようです。

≪お風呂とスキンケアに関する新常識クイズ10問にチャレンジ!≫

 先日、20~40代女性を対象に、早坂先生監修の「お風呂とスキンケアに関する新常識クイズ10問」を実施したところ、全問正解者は、なんと500人中3人と、正答率が1%を下回る結果になりました。

 日常的にお風呂に入っていても、入浴の効果やスキンケアについての正しい知識はあまり理解されていないようです。

お風呂とスキンケアに関する新常識クイズ10問結果(N=500) (温泉医科学研究所調べ)

 それでは、実際に以下の「お風呂とスキンケアに関する新常識10問」の〇×クイズに答えて、正しい入浴やスキンケアの知識をチェックしてみましょう!(答えは次のページに掲載)

Q1 毎日お風呂に浸かるよりも、シャワーの方がスキンケアには良い。

Q2 肌を洗うときには、ボディータオルよりも素手で洗う方が良い。

Q3 一番風呂に入るのが肌にとっては良い状態をキープできる。

Q4 入浴は肌を清潔にする効果もあるが、肌を乾燥させてしまう。

Q5 熱いお湯で入浴するのは、スキンケアにはお薦めできない。

Q6 引き締めの冷水で皮膚の毛穴が引き締まるから良い。

Q7 長時間お風呂に浸かることで、血行も良くなり肌の新陳代謝が進むので肌に良い。

Q8 入浴前に緑茶などカテキンを含む飲料を飲むと吸収が高まるので効果的である。

Q9 入浴中にストレッチをすると体が温まっているので肌の調子が良くなる。

Q10 入浴中にスキンケアをすると発汗作用で流れてしまうので効果が期待できない。

≪お風呂とスキンケアに関する新常識10問の回答・解説≫

A1 × お風呂に浸かることで、血行促進作用により、肌の新陳代謝がよくなると期待できます。

A2 〇 ボディータオルで強くこすると、肌のバリア機能を壊し、肌の保湿成分の流出を促進させます。

A3 × 一番風呂は湯に溶け込んでいる成分が少なく、肌へ刺激になることがあり、二番風呂の方が肌には優しい。

A4 〇 入浴後、浴室をでると急激なスピードで乾燥が始まり、やがて入浴前よりも水分量が低くなる過乾燥の状態に陥るため。これは皮脂やNMF(天然保湿因子)、角層細胞間脂質など本来肌に備わっている保湿成分が一時的に流出し、肌の水分を保てなくなることが原因で起こる。

A5 〇 熱いお湯ほど、肌のバリア機能を壊し、肌の保湿成分の流出を促進させます。

A6 × 冷水で冷やすとせっかくの血流改善などの温熱効果がなくなってしまいます。

A7 × 長時間お風呂につかると体が温まり、肌の新陳代謝が進むような気がしますが、逆に大事な保湿成分がどんどん流出していってしまいます。

A8 〇 入浴前に飲用すると血行促進作用により、吸収が高まります。

A9 ○ 温まると体が柔らかくなるので、ストレッチによって、血行促進作用が進み肌の新陳代謝も高まります。

A10 × 湿気のある浴室で肌に水分がある方が、スキンケアの効果が高いと考えられます。

 いかがでしたか? どれも正しいポイントを押されば、毎日の入浴で手軽に取り入れられるものばかり。知らないうちに、間違った入浴法をしていたという人も、これを機に効果的なバスタイムを過ごしてみてはいかがでしょうか?

 次回は、入浴後の効果的なスキンケアのコツと最新のお風呂保湿に関する実験結果を紹介します。

早坂信哉先生

 東京都市大学教授/博士(医学)、温泉療法専門医、一般財団法人日本健康開発財団温泉医科学研究所所長。入浴医学の第一人者で、著書「たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法」、「入浴検定公式テキスト」など、メディアにも多数出演する。

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