主要鉄鋼58社4~9月期業績ランキング、ROSトップは丸一鋼管=本紙調べ 需要回復、市況上昇で9割が増収

 鉄鋼新聞社調べによる主要鉄鋼会社58社(流通企業などを除く)の2017年4~9月期(一部1~6月期)の業績ランキングがまとまった。今年度上期は鋼材需要が国内外で堅調に推移。加えて原料価格上昇に伴う鋼材価格への転嫁も進んだことで、鉄鋼メーカー各社の業績は総じて回復傾向を見せた。

 58社の売上高合計は約8兆3700億円で、前年同期に比べ約1兆2千億円増加。需要堅調に加え、鋼材価格の上昇が売上高を押し上げた形だ。全体の約88%に当たる51社が増収となった。

 経常損益も改善した。販売価格上昇によって固定費負担が軽減したほか、コスト削減なども奏功。全体の7割近い40社が増益となった。

 高炉メーカーは4社ともに増収。JFEホールディングスは前年同期の赤字から黒字転換した。特殊鋼専業メーカー5社はそろって増収増益。自動車、建設機械向けの需要増が収益を押し上げた。普通鋼電炉メーカーは、形鋼や鋼板を主力とするメーカーが増益だった一方、鉄筋棒鋼を主力とするメーカーは販価改善の遅れなどもあり苦戦し、主力品種の違いで明暗を分けた。

 ランキングを見ると、売上高の上位6社は前回(15年4~9月期)と同じ。7位以下では、新日鉄住金ステンレスが前回の9位から7位に、トピー工業が同10位から9位に順位を上げた。

 経常利益ではトップ3に高炉大手3社が復帰。以下、日立金属、大同特殊鋼、日新製鋼の順。大同は上期の過去最高益で、前回の6位から5位に順位を上げた。

 ROS(売上高経常利益率)は丸一鋼管が前回に続き1位。以下、新日本電工(1~6月期)、東北特殊鋼、モリ工業、大和工業の順。10%超は9社(前回は5社)。黒字企業51社のROS平均は約6・3%で前回(約5%)に比べ大幅に改善した。

ROEは高砂鉄工がトップ

 ROE(株主資本純利益率=純利益を2倍にして計算)ランキング(上場企業40社)では、高砂鉄工が14・5%でトップ。14・2%の日本金属がこれに続いた。3位以下は、新日本電工、日本製鋼所、東京製鉄(単独)の順。ROE10%超は8社で、前回(3社)に比べ増加。さらに5%超が30社に達しており、利益の増加がROEの改善につながった形だ。

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