【津川哲夫の私的F1メカ】今週末の最終戦で見納め。消え去るモノと残るモノ

 エンジンからパワーユニット(PU)の搭載となった2014年の新時代F1。その後もPU規則は毎年変わり、そしてわずか3年後の今季、車体側にも大改造が行われ、2017年のF1はまったく新しいレギュレーションの下で行われた。

 現在のF1はたしかに継続性がない。だがまあ、この背景には現実的にレギュレーションを定めて施行するタイミングよりも、機械の進歩の方が圧倒的に早いというのが一番の要因だろう。

 実際、F1の規則は常に機械的進歩の後を負う形で施行されている。過去十数年、このスタイルは一向に変わらず、おかげでせっかく生まれたアイデアも、後付けの規則によってF1からむしり取られてしまうことは多々ある。

 車体側の規制が大きく変わった今季も、さまざまな物議を醸した。そのなかでも、せっかくワイドボディ、ワイドタイヤで見た目を豪快にしながら、F1のスタイルを恰好を悪くしてしまった原因のひとつ(個人的見解だが)が、シャークフィン(ドーサルフィン)とTウイングだ。

 しかし、シャークフィンだけは見た目の悪さにもかかわらず(個人的見解だが)、2018年も残されることになった。カーナンバーとドライバー名が観客から見えやすく、チームの商業面でもスポンサー用のスペースとして重宝されているのが理由だ。何度も言うが、個人的には『こいつも消えろ!!』と叫びたいのだが……。

 F1のカッコ良さは人それぞれながら、『見た目に速そうなスタイル』『豪快なスピードと凄まじいグリップを連想させるバランス』『カミソリのような刹那的シャープさ』などがその原点のはず。

 その点を踏まえると今回はある程度、納得がいく禁止だとは思う。しかし、2018年シーズンからはコクピットに被せる様なハロが登場する。これを搭載するくらいなら、さんざん物議を醸したTウイングの方がまだカッコ良いと思うのは、筆者だけだろうか?

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